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週1のGLP-1アナログ、心血管イベント抑制

新規糖尿病治療薬で3剤目、SUSTAIN-6試験

 2016年09月16日 18:55
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 本日(9月16日)、開発中のGLP-1受容体作動薬で、週1回皮下注射製剤のsemaglutideによる心血管安全性を評価したSUSTAIN-6試験の成績が明らかになった。20カ国で登録された心血管リスクが高い2型糖尿病患者約3,200例を対象とした同試験では、標準的な糖尿病治療にsemaglutide(0.5mgまたは1.0mg/週)を加えることで、プラセボを加えた場合に比べ心血管イベントのリスクが26%有意に低下することが示された。米・Research Medical CenterのSteven Marso氏らがN Engl J Med2016年9月16日オンライン版)に発表した。また、この成績は欧州糖尿病学会(EASD2016、9月12~16日ミュンヘン)でも報告された。

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非致死性脳卒中リスクは39%低下

 米国では全ての新規糖尿病治療薬に対し、心血管への安全性を証明するために米食品医薬品局(FDA)が規定する項目(心血管死,非致死性心筋梗塞,非致死性脳卒中)の評価が求められている。SUSTAIN-6試験はその目的で実施された試験の1つ。昨年(2015年)9月に報告されたEMPA-REG OUTCOME試験でSGLT2阻害薬のエンパグリフロジンが、また今年6月に報告されたLEADER試験ではsemaglutide と同じGLP-1受容体作動薬で1日1回の皮下注射製剤であるリラグルチドが、ともに心血管イベントを増やさないだけでなく抑制することを示し、話題を呼んだ(関連記事:EMPA-REG OUTCOME試験LEADER試験)。

 SUSTAIN-6試験に関しては、semaglutideを開発するノボ ノルディスク社が今年4月28日にトップラインデータを公表していたが(関連記事)、今回、その詳細が明らかになった。

 同試験の対象は、「50歳以上で心血管疾患(CVD)の既往があるか、ニューヨーク心臓協会(NYHA)心機能分類Ⅱ~Ⅲ度の心不全あるいはステージ3以上の慢性腎臓病(CKD)を有する」または「60歳以上で心血管危険因子を1つ以上有する」のいずれかの基準を満たしたHbA1c7.0%以上の2型糖尿病患者3,297例。うち826例をsemaglutide0.5mg/週群、822例を同1.0mg/週、824例をプラセボ0.5mg/週、825例を同1.0mg/週それぞれ投与する群にランダムに割り付けた。観察期間は109週(治療期間104週+追跡期間5週)だった。

 なお、ベースライン時点で対象患者の83.0%にCVD既往またはCKDがあり、93.5%が降圧薬を、76.5%が脂質低下薬を、76.3%が抗血栓薬をそれぞれ使用していた。2型糖尿病の平均罹患期間は13.9年で、平均HbA1c値は8.7%だった。

 その結果、主要アウトカムである心血管イベント(心血管死,非致死性心筋梗塞,非致死性脳卒中の複合アウトカム)の発生率はsemaglutide群で6.6%(1,648例中108例)、プラセボ群で8.9%(1,649例中146例)と、semaglutide群ではプラセボ群に比べ心血管イベントのリスクが26%有意に低かった〔ハザード比(HR)0.74、95%CI0.58~0.95、非劣性のP<0.001、優越性のP=0.02、図A〕。

図. 心血管アウトカム

N Engl J Med 2016年9月16日オンライン版)

 個々の評価項目については、非致死性心筋梗塞の発生率がsemaglutide群2.9%、プラセボ群3.9%で、semaglutide群ではプラセボ群に比べ有意ではないが26%のリスク低下が示された(同0.74、0.51~1.08、P=0.12、図B)。一方、非致死性脳卒中の発生率はそれぞれ1.6%、2.7%で、semaglutide群ではプラセボ群に比べ39%有意に低かった(同0.61 、0.38~0.99、P0.04、図C)。心血管死の発生率はそれぞれ2.7%、2.8%で、両群間に有意差はなかった(同0.98、0.65~1.48、P=0.92、図D)。

semaglutide群では腎症が減少、網膜症関連合併症は増加

 一方、血糖コントロールに関しては、HbA1cがベースライン時(平均8.7%)からsemaglutide0.5mg/週群では7.6%に、同1.0mg/週群では7.3%に低下。一方、プラセボ両群では8.3%に低下した。なお、試験期間中のインスリンを含む血糖降下薬の追加例はsemaglutideに比べプラセボ群で有意に多かったとしている。

 この他、腎症の新規発症率または悪化率がsemaglutide群ではプラセボ群に比べ有意に低いことが示された(3.8% vs. 6.1 %、HR 0.64、95%CI 0.46~0.88、P=0.005)。一方、網膜光凝固術を必要とする網膜症や硝子体出血などの網膜症に関連した合併症の発生率はプラセボ群に比べsemaglutide群で有意に高かった(3.0% vs. 1.8%、同1.76、1.11~2.78、P=0.02)。

 重篤な有害事象はプラセボ群に比べsemaglutide群の方が少なかったが、有害事象(主に消化管の有害事象)が原因で治療を中止した患者はプラセボ群に比べsemaglutide群で多かった。

 Marso氏らは「semaglutideによる主要アウトカムのリスク低下は、主に非致死性脳卒中リスクの有意な低下と非致死性心筋梗塞リスクの低下(有意ではない)によるもの」と説明。また、今回の試験はsemaglutideのプラセボに対する非劣性を明らかにするために実施されており、優越性を示すことは当初の計画になかったが、「予測されていたよりもイベント発生数が多かったことに加え、semaglutideによる治療効果によって主要アウトカムの有意なリスク低下が示された」としている。

 ただし、同氏らは「他の患者集団を対象とした場合や、治療期間がより長い場合にも同様の結果が得られるのかどうかは不明」と付言。さらに、「プラセボ群と比べsemaglutide群ではより低い血糖値を達成したが、このことがどの程度、心血管イベント抑制に寄与したのかは分からない」としている。

(岬りり子)

  

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