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抗スクレロスチン抗体で椎体骨折リスク7割減

骨粗鬆症の閉経後女性で―romosozumab第Ⅲ相試験

 2016年09月27日 07:10

 米・Columbia UniversityのFelicia Cosman氏らは、新たな機序の骨粗鬆症治療薬として期待が寄せられている抗スクレロスチン抗体romosozumabの第Ⅲ相試験であるFRAME試験の結果をN Engl J Med2016年9月18日オンライン版)に発表した。閉経後の骨粗鬆症患者約7,000例を対象とした同試験では、プラセボに比べromosozumabにより12カ月時点の新規椎体骨折リスクが73%低下することが示された。この成績は米国骨代謝学会(ASBMR2016、9月16~19日、アトランタ)でも報告された。

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デノスマブ治療に移行後も75%のリスク低下示す

 スクレロスチンは骨細胞から産生される蛋白質で、骨形成を抑制する。romosozumabは、スクレロスチンの作用を阻害して骨形成を促進すると考えられており、これまでの骨粗鬆症治療薬とは異なる新たな機序の骨粗鬆症治療薬として注目されている。

 FRAME試験は、同薬の有効性と安全性を評価する目的で実施された。対象は、大腿骨近位部または大腿骨頸部の低骨密度(Tスコア-2.5~-3.5)で定義した骨粗鬆症を有する閉経後女性7,180例。ベースラインにおける平均年齢は70.9歳で、平均Tスコアは腰椎で-2.72、大腿骨近位部で-2.47、大腿骨頸部で-2.75だった。

 同試験では、最初の12カ月間はromosozumab 210mgを月1回皮下投与する群とプラセボ群にランダムに割り付け、その後さらに12カ月間、両群で抗RANKL抗体デノスマブ60mgを6カ月に1回投与した。この他、24カ月の全試験期間にわたって全例にカルシウム(500~1,000mg/日)およびビタミンD3またはD2(600~800IU/日)を投与した。主要エンドポイントは12カ月および24カ月時点の新規椎体骨折の累積発生率で、副次的エンドポイントは臨床骨折(症状のある椎体骨折および非椎体骨折の合計)および非椎体骨折の累積発生率などだった。

 その結果、12カ月時点の新規椎体骨折リスクはプラセボ群に比べromosozumab群で73%有意に低かった(P<0.001、発生率:1.8% vs. 0.5%)。また、臨床骨折リスクもプラセボ群に比べromosozumab群で36%有意に低かった(P=0.008、発生率:2.5% vs. 1.6%)。非椎体骨折リスクに関しては有意な低下は認められなかった。

 さらに、24カ月時点の新規椎体骨折リスクはプラセボ群に比べ、romosozumab群で75%有意に低かった(P<0.001、発生率:2.5% vs. 0.6% )。

 変形性関節症や心血管イベント、がんなどの有害事象の頻度は両群間に有意差はなかった。ただ、romosozumab群では顎骨壊死が2例で、非定型大腿骨骨折が1例で発生した。

受け止め方は『期待通り』と『期待には及ばず』に分かれる?

 Cosman氏らは、「romosozumabの投与期間の後半6カ月間における新規椎体骨折の発生は2例のみであることから、同薬が新規椎体骨折リスクを迅速に低減させることが示された」と説明。さらに、デノスマブによる治療に移行した後も、最初の12カ月間 romosozumabを投与した群では新規椎体骨折リスクが低かったとして、romosozumabの効果が持続していた可能性を示唆している。

 一方、米・Maine Medical Center Research InstituteのClifford J. Rosen氏らは同誌の付随論評(2016年9月18日オンライン版)で、同試験の成績について「受け止め方は『期待通り』と『期待には及ばず』に分かれるかもしれない」とコメント。「romosozumabの骨密度の改善効果は驚くべきものであり、椎体骨折や臨床骨折のリスクの低減効果も大きい」と評価する一方で、顎骨壊死や非定型大腿骨骨折が発生したことを問題視し、「さらなる研究が必要」と慎重な見方を示している。

(岬りり子)

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