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欧州心臓病学会、心房細動管理で指針

チームによる患者中心の医療を推進

 2016年09月29日 07:00

 欧州心臓病学会(ESC)は欧州心臓胸部外科学会(EACTS)と共同で、心房細動(AF)管理に関わる全ての専門家に向けたAF管理ガイドライン(GL)を策定し、欧州心臓病学会(ESC2016)で発表、Euro Heart J2016年8月27日オンライン版)に同時掲載した。

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高齢群に任意型スクリーニングを

 抗凝固療法によりAF患者の虚血性脳卒中の大部分は予防可能であるため、同GLでは初回脳卒中発症前のAF発見の重要性を強調している。

 無症候性AFは心電図によるスクリーニングが発見の鍵となる。65歳超やペースメーカー装着者に対するAFの任意型スクリーニング、発作性AFについても複数回の検査やスキンパッチレコーダーを用いた長期心電図などの有用性が報告されている()。

表. AF管理GL2016で示された、AF患者診断・管理のための17のルール

表

初期に5項目を評価

 同GLでは、新たにAFと診断された患者に対する初期評価として①血行動態の不安定性あるいは制限、重度症状②誘発因子(甲状腺中毒症、敗血症、術後のAF)および既存の心血管疾患の有無③脳卒中リスクと抗凝固療法の必要性④心拍数と心拍数調節の必要性⑤症状の評価と洞調律維持療法の決定−の5項目を検討するよう促している()。

図. AF患者の急性期/慢性期管理、目標とする心血管アウトカム、患者のベネフィット

図

(表、図ともEuro Heart J 2016年8月27日オンライン版)

 新規AF患者のケアではプライマリケア医、循環器内科医、心臓外科医、AFや脳卒中の専門家、医療スタッフ、患者との協力体制を構築し、生活習慣の是正、既存の心血管疾患に対する治療などを包括的に推進すべきとしている。

 同GLでは、急性TIAや虚血性脳卒中を生じたAF患者、経口抗凝固療法中に脳出血を生じたAF患者、急性冠症候群(ACS)発症後およびステント術施行後のAF患者などへの経口抗凝固療法の開始時期をアルゴリズムで示している。

 洞調律維持療法についてはAF発症急性期の除細動、長期的な洞調律維持のための抗不整脈薬投与やカテーテルアブレーション、治療非奏効例への対処法が示されている。

 急性期の除細動では、患者の血流動態が不安定な場合には電気的除細動を行うが、安定している場合にはアミオダロンをはじめとする薬剤を用いた除細動も選択肢となる。加えて、心不全や大動脈狭窄、冠動脈疾患などが認められない患者では安全性確認後にフレカイニドやプロパフェノンの頓服も試みられている。

 長期的な洞調律維持では、カテーテルアブレーションは抗不整脈薬の非奏効例や不耐容例に対する第一選択となるが、その安全性は抗不整脈薬と同等と報告されている。また、同GLではアブレーションの第一選択は肺静脈隔離で、より広範囲のアブレーションはAF再発時の再手技で適用することを推奨している。

AF Heartチームの結成を呼びかけ

 カテーテルアブレーション非奏効例には抗不整脈薬とカテーテルアブレーションやAF手術を組み合わせたハイブリッド治療も合理的な治療選択である。しかし、抗不整脈薬、カテーテルアブレーション、手術の経験豊富な専門家で構成するAF Heartチームを結成し、対処法を決定するよう呼びかけている。

 また、同GLでは洞調律維持療法のリスクとベネフィットのバランスを取り、AFの症状を改善するため、心臓手術を施行するAF患者に両心房メイズ手術の施行も考慮すること(ⅡaA)、心臓手術を施行する無症候性AF患者に両心房メイズ手術または肺静脈隔離術を施行すること(ⅡbC)を新たに推奨している。

 さらに、AF Heartチームの判断によりカテーテルアブレーションに失敗した症候性AF患者では低侵襲肺静脈隔離術を施行すること(ⅡaB)、抗不整脈薬に耐性で持続性または長期持続性の症候性AF患者に対してカテーテルまたは外科的アブレーションを患者の選択、リスクとベネフィット、AF Heartチームの判断を考慮する(ⅡaC)、薬剤耐性で持続性の症候性AF患者またはアブレーション施行後AF患者に対してAF Heartチームによる治療の選択肢として経験豊富な施設で適切なトレーニングを受けた術者による低侵襲メイズ手術を考慮する(ⅡaC)ことも新たに推奨している。

(古川忠広)

  

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