桑島巖氏が追及するディオバン事件・上
知りうる限りの全過程を記録
2016年10月04日 07:20
4名の医師が参考になったと回答
桑島巖著、四六判、248ページ、定価2,000円+税、日本医事新報社
昨年(2015年)12月、ノバルティスファーマが製造・販売するバルサルタン(商品名ディオバン)に関する医師主導臨床研究のデータ改ざんをめぐり、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)の容疑で逮捕された同社元社員の白橋伸雄被告と、罰則規定で起訴された同社の初公判が東京地裁で行われた。JIKEI HEART studyがLancetに掲載された2007年以降、一連の研究結果に一貫して疑問を投げ続けてきた医師がいる。NPO臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)理事長の桑島巖氏だ。その同氏が、この事件に関して知りうる限りの全過程を描いた『赤い罠 ディオバン臨床研究不正事件』を今年9月に上梓した。なぜノンフィクションを書く思いに至ったのか。時間の許す限り、実際に裁判を傍聴しているという同氏に、裁判の模様も交えて聞いた。〔関連記事:桑島巖氏が追及するディオバン事件・下〕