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世界の平均寿命、この35年で10年延長

健康寿命の延伸が課題に―GBD研究2015

 2016年10月07日 09:00
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 195の国と地域の最新データを解析したGlobal Burden of Disease(GBD)研究2015(以下、GBD 2015)の結果がLancet2016;388:1459-1544、1545-1602、1603-1658、1659-1724、1725-1774、1775-1812)に掲載された。同研究からは、2015年時点の世界人口の平均寿命は71.8歳で、1980年の61.7歳から10年以上延びたことが明らかになった。一方、健康寿命(Healthy life expectancy;HALE)も1990年の56.7歳から2015年には62.8歳へと6.1年延びたが、平均寿命の延長分には及ばず、疾患や障害を抱えて生きる年数は延びたことが示された。なお、今回の研究には127の国と地域から1,870人の研究者が参画したという。

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世界人口の7割が非感染性疾患で死亡

 今回の解析は、世界各国の人々の健康状態を把握し、各国の健康上の問題と介入を優先すべき課題を明らかにするために行われた。解析に含まれたのは1990~2015年の195の国と地域における死因や有病率などに関するデータ。解析結果はテーマごとに6つの論文としてLancetの同じ号に掲載された。

 2015年時点の世界人口の平均寿命は71.8歳で、1980年の61.7歳から10年以上延びた。男女別の平均寿命は、男性が1980年の59.6歳から2015年には69.0歳に、女性は63.7歳から74.8歳に延びた。特にこの10年間での平均寿命の延長が顕著だったのはサハラ以南アフリカの国々で、中でもジンバブエでは男性で11.7年、女性で17.0年も延びたという。

 2015年の平均寿命の世界トップは男女ともアンドラ公国で、それぞれ81.2歳、88.4歳だった。日本は男性が8位(79.9歳)、女性は2位(86.4歳)だった。一方、平均寿命が最も短かったのはレソトで、男性44.1歳、女性50.4歳だった。

 世界全体の平均寿命は延長したが、人口の増加と高齢化を背景に死亡者数は増えた。世界の死亡者数は1990年の4,800万人から2015年には5,600万人に増加。2015年に死亡した人の70%は非感染性疾患(虚血性心疾患や脳卒中、糖尿病、慢性腎臓病、認知症、薬物使用障害など)が原因で死亡していることも分かった。

 研究グループは、平均寿命が延長した主な要因として、特にこの10年間でHIV/AIDSやマラリア、下痢性疾患などの感染性疾患による死亡率が大幅に低下したことを挙げている。また、低下のペースは感染性疾患による死亡率ほどではないが、心血管疾患やがんによる死亡率も低下したという。1990年、2005年、2015年の世界の損失生存年数(years life lost;YLL)の原因疾患トップ10はの通り。

図.世界の損失生存年数の原因疾患トップ10

Lancet 2016;388:1459-1544)

世界人口の10%以上が罹患している8つの疾患は...

 一方、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる年数であるHALE(平均)は、2015年時点で世界全体では男性60.9歳、女性64.9歳で、2005年時と比べそれぞれ2.9年、3.5年延びた。ただ、平均寿命の延長分には及ばず、健康上の問題を抱えて生活しなくてはならない年数は男女ともに延びたことが示された。なお、日本人の2015年のHALEは男性71.54年女性76.28年だった。

 また、障害調整生存年数(disability-adjusted living years;DALY)を指標とした世界の疾病負担の中心はかつてHIV/AIDSやマラリア、下気道感染などの感染性疾患や、妊産婦および新生児の合併症、栄養失調などによる負担だったが、2015年までに薬物使用障害(主にオピオイドやコカイン)、聴力および視力の障害、変形性関節症などの非感染性疾患による負担にシフトしてきた。このような傾向の背景にも、人口の増加や高齢化があると研究グループは指摘している。

 この他、健康状態が悪化した中で生活しなくてはならない年数の指標となる障害生存年数(years lived with disability;YLD)への寄与度が高かった疾患や障害は、腰痛などの筋骨格系障害(全YLDの18.5%)、精神障害および物質使用障害(同18.4%)、聴力や視力の障害、皮膚疾患などを中心としたその他の非感染性疾患(同17.9%)であることが明らかになった。なお、310の慢性疾患(3カ月以上の罹患と定義)について世界の罹患率を調べたところ、世界人口の10%以上が罹患している疾患は齲歯、緊張型頭痛、鉄欠乏性貧血、聴覚障害、片頭痛、性器ヘルペス感染症、眼の屈折・調節障害、回虫症の8つであることも分かった。

(岬りり子)

  

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