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腰痛治療への期待、患者・医師間でギャップ

 2016年10月21日 13:40
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 慢性腰痛に対する患者・医師の意識・実態調査の結果がこのほど塩野義製薬と日本イーライリリーにより発表された。「現在の治療法に患者が満足している」と回答した医師が46.8%であったのに対し、「医師の現在の治療法に満足している」と答えた患者は42.2%で、医師が思っている以上に、治療に満足していない患者の割合が多いことが明らかとなった。また、治療目標については「痛みを完全に取り除く」とした医師は皆無だったのに対し、患者は25.8%と多く、医師と患者の意識のギャップが浮き彫りとなった。

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3人に1人が「仕事を辞めたい」

 慢性腰痛に対する患者・医師の意識・実態調査は、インターネットを用いて全国の慢性腰痛症患者2,350人と慢性腰痛症の治療経験のある整形外科医111人を対象に行われたもので、今年(2016年)9月12〜20日に実施された。

 それによると、35.2%が「慢性的な腰痛で仕事を辞めたいと思ったことがある」と回答。長引く腰痛によって患者が仕事に支障を来していることが分かった。また、約6割が「物を持ち上げたり、しゃがむなどの動作に支障がある」とし、約半数が「趣味や週末・休日の外出への影響がある」と答えた。一方、医師の73.9%が「慢性腰痛症は、原因が分からない、特定できないことが多い疾患」と回答。しかし、医師から慢性的な腰痛の原因がよく分からないと伝えられた患者は、16.5%と少なかった。治療目標の設定については、「設定している」が医師では40.5%であったが、患者では24.2%で、医師が治療目標を設定したと思っていても、患者はそう思っていない可能性が示された。

「慢性腰痛症における具体的な治療目標について設定している」と回答した医師および患者に対して治療目標の内容を尋ねたところ、医師は「日常のさまざまな活動に支障が出ない程度まで痛みを軽減すること」(51.1%)、「多少の痛みはあっても痛みを現在よりも軽減すること」(40%)、「痛みをこれ以上悪化しないよう現状維持すること」(8.9%)と回答し、「痛みを完全に取り除くこと」とした回答は皆無だった。一方、患者に「あなたが考える現実的な治療目標」について質問すると、「日常のさまざまな活動に支障が出ない程度まで痛みを軽減すること」(37.8%)に次いで、「痛みを完全に取り除くこと」(25.8%)が多かった。日常生活に支障がない程度までに痛みの改善を目指すことを治療目標としている医師が多いのに対して、患者の中には痛みを完全に除去したいと考えている人もおり、医師と患者の意識に隔たりが見られた。

目標設定により患者の治療満足度は2倍に

「現在の治療法に患者が満足している」と回答した医師は46.8%であったのに対し、「医師の現在の治療法に満足している」と答えた患者は42.2%と少なく、医師が思っている以上に、治療に満足していない患者の割合が多い可能性が示された()。患者が治療に満足していない理由で最も多かったのは「期待していた鎮痛効果が得られなかったから」だった。

図. 現在の治療法に対する医師と患者の満足度

(慢性腰痛に対する患者・医師の意識・実態調査)

 また、治療目標を設定している患者の満足度は69.6%、設定していない患者では33.5%と現在の治療法への満足度に2倍の差が見られた。治療法に不満足の患者の約7割は、満足していないことを医師に伝えていなかった。その理由としては「相談しても治療法を変えてくれなさそうだから」との回答が多かった。

 今回の調査を監修した浜松医科大学整形外科教授(同大学病院院長)の松山幸弘氏は「慢性的な腰痛は、日常生活に欠かせない動作や活動に支障を来たし患者のADL・QOLを低下させていることが示された。痛みをゼロにしたいと思う患者が多かったが、腰痛の原因としては器質的疾患が特定される場合もあれば、臨床上完全に特定されない場合もあり、複雑な要因が関与しており、完全に痛みを除去するのは難しい。慢性腰痛の治療ゴールは患者ごとに日常生活の改善ベースでの目標設定が重要であり、患者と医師の十分なコミュニケーションが望まれる」と述べた。               

(伊藤 茂)

  

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