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日本発の経口可能な肺高血圧治療薬

対プラセボで病態悪化/死亡リスクを約4割抑制

 2016年10月23日 07:00

 日本新薬は肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬セレキシパグ(商品名ウプトラビ)の製造販売承認を受け、10月18日にプレスセミナーを開催した。同薬は同社が創製した新規化合物で、アクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパンと国内で共同開発した、経口投与が可能な持続型選択的プロスタサイクリン受容体(IP受容体)作動薬。登壇した国⽴循環器病研究センター肺⾼⾎圧症先端医学研究部特任部⻑の⼤郷剛氏は「待ち望まれた理想的な製剤であり、今後のPAH治療を大きく変える可能性がある」と述べた。

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欧米では今年から販売

 セレキシパグは今年(2016年)1月から米国で、6月からドイツで販売されている。39カ国、1,156例を対象に最長4.2年行われた第Ⅲ相試験のGRIPHON試験では、プラセボと比べて病態悪化/死亡のイベント発生リスクを約40%有意に抑制したことが認められた。

 日本新薬研開企画部⻑の桑野敬市氏は「PAH治療としては1999年にプロスタサイクリン(PGI2)持続注入療法が開始されたが、半減期が短く携帯ポンプで持続的に注入する必要があり、患者のQOLを低下させる。そのような中、経口薬は高いニーズがある」とPAH治療薬の現状について解説。同社はエンドセリン受容体遮断薬(ERA)のマシテンタン(商品名オプスミット)、3ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬のタダラフィル(同アドルシカ)を販売しており、セレキシパグの販売後はPAH治療薬は3剤のラインアップとなる。「セレキシパグは半減期が長いことが特徴で、作用機序の異なる3種類の薬剤を提供できることが自社の強み。併用療法でPAH患者の予後改善を図りたい」と展望した。

PAHはいまだに根治できない

 次に⼤郷氏が登壇、同氏の施設ではPAHの5年生存率が38%と高率で「PAHの診断は患者に対して死の宣告に等しかった」と述べた。同氏によると、肺血管が狭窄して肺動脈の血圧が上昇しても、息切れや全身の倦怠感、失神などPAHの症状が発現するまで2~3年かかるという。「疾患特有な自覚症状が少なく、確定診断まで数年を要する。PAHは気管支炎や喘息をはじめとした呼吸器疾患と間違えられるなど診断が難しいが、心機能への影響が診断の鍵となる。心電図やX線、心エコーなどでしっかり診断してほしい」と指摘した。

 さらに、PAHはいまだに根治できず、右心不全で入退院を繰り返したり、症状が残って日常生活が困難になるなど多くの課題が残されており、新しい治療薬が望まれるという。「セレキシパグは経口薬であり、より多くの患者に使用可能となる。強力な血管拡張作用を有することで症状のさらなる改善を図り、皮下注射や吸入、静脈注射からより患者に優しい治療への切り替えが期待できる」と展望した。

 最後に「待ち望まれた理想的なPGI2製剤であり、今後のPAH治療を大きく変える可能性がある」とまとめた。

(林 みどり)

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