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若年精神病患者は頸動脈内膜が厚い

2016年10月31日 07:05

イメージ画像 (c)Getty Images ※画像はイメージです

 「早期発症型の精神病や双極性障害を有する18歳未満の患者に対して頸動脈超音波検査を実施したところ、内膜厚の増大が認められ、既に動脈硬化が始まっていることが確認された」とする小規模研究の結果をスウェーデン・Institute of Karolinskaのグループが国際早期精神病学会(ミラノ、10月20~22日)で報告した。精神疾患患者は後に心血管疾患(CVD)を発症するリスクが高いことが知られているが、同グループは「CVDの予防法を明らかにするために今回の研究結果が役立つのではないか」としている。

高周波数超音波で内膜厚と中膜厚を別々に測定

 以前から精神疾患、特に早期発症型の精神病や双極性障害の患者では、後にCVDを発症するリスクが高いことが報告されている。ただ、これらの疾患を有する小児や青少年の血管の状態について検討した研究はほとんどなかったという。

 そこで同グループは今回、早期発症型の精神病および双極性障害の患者29例(女性42%、平均17歳)と対照群(女性28%、平均17歳)に対し頸動脈超音波検査を実施。検査には内膜、中膜を別々に評価できる高周波数超音波(HFU)を用いた。

 その結果、内膜厚は早期発症型精神病+双極性障害群0.13mm、対照群0.08mmで、早期発症型精神病+双極性障害群が対照群を有意に上回っていた(P<0.001)。一方、中膜厚については両群間に有意差は認められなかった(それぞれ0.64mm、0.58mm)。

 同グループは、この結果を受け「早期発症型の精神病患者では既に血管に変化が認められ、動脈硬化が始まっていることが示された」とした上で、「重度の精神疾患を抱える若年者における生理学的な変化については、HFUを用いた前向き研究でさらなる検証を重ねる必要がある」としている。また、「内膜の肥厚が進んでいても、治療によって精神病症状が改善すれば内膜の状態も改善する可能性がある」として、薬物治療による影響についても検討の余地があるとの見方を示している。

(岬りり子)

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