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中等度COPDに酸素療法の効果なし

 2016年11月01日 07:00
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イメージ画像 (c)Getty Images ※画像はイメージです

 中等度経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)低下を伴う慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対する長期酸素療法には便益がない。重度の安静時低酸素血症を伴うCOPD患者の生存期間を延長することが知られているが、重症ではない患者に対する有効性は分かっていなかった。このほど、安静時または運動誘発性の中等度SpO2低下を伴うCOPD患者を対象にしたランダム化比較試験(RCT)Long-Term Oxygen Treatment Trial(LOTT試験)の結果が米・University of AlabamaのWilliam C. Bailey氏らによってN Engl J Med2016; 375: 1617-1627)に報告され、どの評価項目に関しても長期酸素療法の有無による差はないことが示された。

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死亡または初回入院までの期間に有意差なし

 LOTT試験は、中等度の安静時SpO2低下(89~93%)または運動誘発性SpO2低下(6分間歩行試験が5分以上でSpO2 80%以上、10秒以上でSpO2 90%未満)を伴う安定期COPD患者を対象としたRCT。2009年1月~14年8月に、42施設の合計738例を長期酸素療法の実施群(368例、平均年齢68.3歳)または非実施群(370例、平均年齢69.3歳)にランダムに割り付け、1~6年間(中央値18.4カ月)追跡した。

 実施群では、安静時SpO2低下例に24時間の酸素投与(220例)、運動誘発性SpO2低下例に運動時および睡眠時の酸素投与(148例)を行った。

 患者が自己申告した酸素療法の1日当たりの実施時間(追跡期間中の平均値±SD)は、実施群が13.6±6.1時間/日、非実施群が1.8±3.9時間/日であった。

 Cox比例ハザードモデルを用いてベースラインから死亡または初回入院(全入院)までの期間を比較した結果、実施群と非実施群で有意差は認められなかった〔ハザード比(HR)0.94、95%CI 0.79~1.12、P=0.52〕。結果は酸素療法の処方内容やSpO2低下のタイプなどで層別化したサブグループでも同様であった。

QOL、肺機能、歩行距離なども全て差なし

 その他の評価項目でも結果は同様で、全入院率〔発生率比(RR)1.01、95%CI 0.91~1.13〕、COPD増悪率(RR 1.08、同0.98~1.19)、COPD関連入院率(RR 0.99、同0.83~1.17)に関して実施群と非実施群で有意差は認められなかった。また、QOL、肺機能、6分間歩行距離の測定結果に関しても一貫した差は認められなかった。

 LOTT試験グループは以上の結果を踏まえ、「安静時または運動誘発性の中等度SpO2低下を伴う安定期COPD患者では、死亡、入院、その他のいかなるアウトカムに関しても長期酸素療法のベネフィットは認められない」と結論付けた。

 Bailey氏らは、重度SpO2低下を伴うCOPD患者での研究結果とは異なり、酸素療法による生存期間延長のベネフィットが認められなかった理由として、肺血管収縮、メディエータ放出、換気ドライブに対する酸素飽和度の非線形の閾値効果が関与している可能性を挙げ、「これらはSpO2 88%以下で生じるもので、慢性低酸素血症患者の方がその重要性が増すのかもしれない」と述べている。

 また、研究の限界として、非盲検であったこと、酸素療法の実施状況や入院に関するデータが患者の自己申告に基づいていること、使用装置の違いにより酸素投与量にばらつきがあった可能性などを挙げた。

(太田敦子)

  

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