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「坐位時間長ければ30分ごとに運動を」ADA

糖尿病患者の身体活動に指針

 2016年11月02日 07:00
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イメージ画像 (c)Getty Images ※画像はイメージです

 米国糖尿病学会(ADA)は10月25日、糖尿病患者の身体活動に関する指針を示したステートメントをDiabetes Care(2016; 39: 2065-2079) に発表した。ADAによると、1型および2型の糖尿病の他、妊娠糖尿病や前糖尿病を含めた患者の身体活動に関する独立した指針がまとめられたのは今回が初めて。近年、デスクワークやテレビ視聴、会議などで座って過ごす時間が長いことが死亡率や罹病率の上昇に関連するとの複数の報告があるが、こうした研究に基づき「坐位時間が長い人は、30分ごとにストレッチや歩行などの低強度の身体活動を3分以上行う時間を持つべき」とする推奨などが示された。

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5分以下の軽い運動でも血糖コントロール改善

 ステートメントでは、1型および2型の糖尿病の他、妊娠糖尿病や糖尿病の診断基準は満たさないが血糖値が正常高値の前糖尿病の患者に対する身体活動の指針を提示。また、その根拠となる研究結果の概要がまとめられている。このうちADAが注目すべきポイントとして挙げているのが、「坐位時間が長時間に及ぶ場合には、30分ごとに3分以上、低強度の身体活動を行うべき」とすることが推奨項目の1つとして示された点だ。具体的には、立ち上がったり歩行したり、あるいは脚や腕を伸ばしたり上体をひねったりするような簡単なストレッチで良いという。

 近年、中強度~高強度の身体活動を行っている人でも坐位時間が長いことは死亡率や罹病率の上昇と関連することが複数の研究で示されている。また、坐位時間の長さは糖尿病リスクにも関連することが指摘されている。一方、5分以下と短時間であっても低強度の身体活動を行うことで、坐位時間が長い肥満者や血糖調節障害の女性において血糖コントロールが改善することが報告されているという。

 これまでADAでは糖尿病診療ガイドライン(Standards of Medical Care)で90分ごとに身体活動を行うことを推奨していたが、今回「30分ごと」に短縮された。ただし、「こうした身体活動は定期的な運動(2型糖尿病患者の場合、週に150分以上の低強度~高強度の身体活動)に加えて行うべきであり、それに代わるものではない」としている。

高齢者にはヨガや太極拳が良い?

 こうした坐位時間の短縮を目的とした軽度の運動習慣に加え、2型糖尿病の成人患者には血糖コントロールと健康アウトカムの至適化のためにウオーキングやサイクリング、ジョギングなどの有酸素運動と筋肉に負荷をかけて筋力を鍛えるレジスタンス運動の両方を行うことを推奨。また、毎日行うことが勧められるが、少なくとも運動しない日が2日以上続かないようにすべきとの推奨項目も示されている。

 その根拠として、有酸素運動は心血管死および全死亡のリスク低下に関連する他、血糖やトリグリセライド、血圧、インスリン抵抗性を改善する一方、レジスタンス運動も血糖やインスリン抵抗性、血圧、筋力の改善に関連することなどが記されている。また、同じ機会に有酸素運動とレジスタンス運動の両方を行う場合には、レジスタンス運動を先に行うことで低血糖リスクを下げられることが報告されているとしている。この他、運動中の低血糖予防にはインスリンレジメンや炭水化物の摂取量の調整を推奨。また有酸素運動の前に短距離を全速力で走ることも低血糖予防の選択肢になるとされている。

 一方、高齢の糖尿病患者に対しては柔軟運動とバランス運動を週2~3回行うことを推奨。これらの運動の要素に加えて筋力強化の要素も兼ね備えた運動として、ヨガや太極拳が選択肢の1つとして勧められている。

 さらに、ステートメントでは有酸素運動、レジスタンス運動、柔軟運動やバランス運動の具体的な内容や望ましい強度、時間、頻度などの他、使用中の薬剤や合併症に応じた適切な運動の在り方や留意点などが表にまとめられている。

(岬りり子)

  

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