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成人片頭痛予防薬は小児に効果なし

米・多施設共同第Ⅲ相試験の結果

 2016年11月02日 12:00

イメージ画像 (c)Getty Images ※画像はイメージです

 片頭痛を有する小児および思春期の若者に対するアミトリプチリンまたはトピラマートの24週間投与は、プラセボに比べて頭痛および頭痛関連障害の予防効果を示せず、むしろ有害事象が増加した。米国の多施設共同第Ⅲ相ランダム化二重盲検試験CHAMPChildhood and Adolescent Migraine Prevention)の結果を、米・Cincinnati Children's Hospital Medical CenterのScott W. Powers氏らがN Engl J Med2016年10月26日オンライン版)に発表した。無益との計画中間報告を受け、試験は予定より早く終了した。

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頭痛日数の半減効果をプラセボと比較

 小児・思春期の片頭痛は頻度が高く、米国の患者は600万人に上る。その多くは成人期も持続し、社会経済および個人の日常生活への負担が大きい。しかし、米食品医薬品局(FDA)によって承認された12歳未満の小児用の片頭痛予防薬はない。

 CHAMP試験では、片頭痛を有する8~17歳の小児・思春期の若者を成人で片頭痛予防効果が示されている2剤〔抗うつ薬アミトリプチリン(1日1mg/kg)と抗てんかん薬トピラマート(1日2 mg/kg)〕を投与する群、またはプラセボ群のいずれかに2:2:1の比率でランダムに割り付けた。主要評価項目は24週間の試験期間のベースラインから28日間と最後の28日間での頭痛日数の50%以上の相対的減少。副次評価項目は頭痛関連障害、頭痛日数、24週間の試験完遂率および治療中の重大有害事象とした。

予防効果は3群間に有意差なし

 2012年7月~14年11月に米国33施設から登録割り付けされた361例のうち治療意思を示した328例(アミトリプチリン群132例、トピラマート群130例、プラセボ群66例)が解析対象となった。3群のベースラインの背景因子に有意差はなかった。登録患者全体の平均年齢は14.2±2.4歳、女性68%、白人70%、PedMIDASスコアの平均は41.9±26.8、当初28日間の頭痛日数の平均は11.4±6.1日。

 主要評価項目である頭痛日数の半減率は、アミトリプチリン群52%、トピラマート群55%、プラセボ群61%と3群間に有意差がが見られなかった〔アミトリプチリン群対プラセボ群:調整後オッズ比(OR)0.71 、98.3%CI 0.34~1.48、P=0.26、トピラマート群対プラセボ群:同0.81、0.39~1.68、P=0.48、アミトリプチリン群対トピラマート群:同0.88、0.49~1.59、P=0.49〕。頭痛関連障害を含む副次評価項目についても3群間に有意差はなかった。

実薬群で重大有害事象5件

 有害事象は、全体で計272例852件(アミトリプチリン群301件、トピラマート群419件、プラセボ群132件)報告された。プラセボ群よりも有意に増加した有害事象は、アミトリプチリン群では疲労(30%対14%、P=0.01)と口渇(25%対12%、P=0.03)、トピラマート群では錯感覚(31%対8%、P< 0.001)と体重減少(8%対0%、P=0.02)。治療関連と判断された重大な有害事象は5例で、アミトリプチリン群が気分変化3例と失神1例、トピラマート群が自殺企図1例だった。

 FDAは、試験期間中に12~17歳の反復性偏頭痛を適応としてトピラマートを承認した(国内未承認)。しかし、治験薬2剤はいずれもプラセボに比べて頭痛予防効果を示せず、有害事象が増加したため試験が中止されたことは波紋を広げる可能性もある。Powers氏らは「CHAMP試験の対象は8~17歳で、反復性および慢性偏頭痛が含まれているが、今回の結果から小児用の片頭痛予防薬について再検討される可能性が示唆された」と述べている。

PedMIDAS(Scores on the Pediatric Migraine Disability Assessment Scale)は0~240点で頭痛の重症度を評価する指標。0~10点(障害なし)、11~30点(軽度障害)、31~50点(中等度障害)、50点超(重度障害)

(坂田真子)

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