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併用で進行乳がん治療抵抗性を克服

二重盲検ランダム化第Ⅲ相試験の中間結果

 2016年11月08日 07:05

イメージ画像 (c)Getty Images ※画像はイメージです

 進行乳がんへのファーストライン治療としての選択的サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬ribociclibとアロマターゼ阻害薬レトロゾールの併用は、レトロゾール単剤投与と比べて無増悪生存(PFS)が有意に延長することが示された。ホルモン受容体(HR)陽性・ヒト上皮成長因子受容体(HER2)陰性の閉経後進行乳がん患者を対象に行われた二重盲検ランダム化第Ⅲ相試験MONALESSA-2の初の中間解析結果が米・University of Texas MD Anderson Cancer CenterのGabriel Hortobagyi氏によりN Engl J Med2016; 375: 1738-1748)で公表された。この結果は欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2016)でも発表された。

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CDK4/6阻害でホルモン治療効果の持続期間を延長

 HR陽性HER2陰性の進行乳がん患者に対してはアロマターゼ阻害薬を用いたホルモン療法が用いられるが、治療抵抗性が問題として挙げられる。そこで、ホルモン療法への抵抗性を克服・遅延させるため、HR陽性乳がん患者において過剰発現しているCDK4/6の阻害が模索されてきた。ribociclibはCDK4/6阻害薬であり、アロマターゼ阻害薬との併用によりホルモン療法の効果持続期間を延長すると期待されている。

 MONALEESA-2は、こうした背景の下、29カ国223施設で2014年に開始されたランダム化プラセボ対照第Ⅲ相試験である。対象は抗がん薬全身投与歴がなくHR陽性HER2陰性の再発性または転移性乳がんの閉経後女性668例(年齢中央値62歳)で①ribociclib 600mg/日(3週投与+1週休薬)+レトロゾール 2.5mg/日の併用群(以下ribociclib群)334例②レトロゾール+プラセボ群(以下、プラセボ群)334例―のいずれかにランダムに割り付けられた。

 主要評価項目はPFSとし、二次評価項目は全生存、客観的応答率(ORR)、臨床的有用率(CBR)、安全性などとした。疾患増悪または死亡が243例に達した時点(2016年1月、追跡期間の中央値15.3カ月)事前計画通りに中間解析を行った。優位性の判定基準はハザード比(HR)0.56以下かつP<1.29×10-5とした。

併用群でPFS期間が44%延長

 追跡期間中央値15.3カ月の結果、PFS期間はribociclib群でプラセボ群より44%有意に延長した(、HR 0.56、95%CI 0.43~0.72;優位性のP=3.29×10-6)。12カ月のPFS率はribociclib群で72.8%(95%CI 67.3~77.6)、プラセボ群で60.9%(同55.1~66.2)、18月後のPFS率はそれぞれ63.0%(同54.6~70.3)と42.2%(同34.8~49.5)であった。

図. 無増悪生存率のKaplan-Meier曲線

N Engl J Med 2016; 375: 1738-1748

 ベースラインで測定可能疾患が認められた患者におけるORRはribociclib群で52.7%、プラセボ群で37.1%(P<0.001)、CBRはそれぞれ80.1%、71.8%(P=0.02)であった。全生存については試験開始から間もないため、中間解析時点では評価することができなかった。

 安全性については、深刻な有害事象の発生率は両群とも5%未満であったが、それ以外の有害事象はribociclib群において有意に高頻度で見られた。grade3または4の有害事象のうち、発生頻度が高かったものは好中球減少症(ribociclib群59.3%、プラセボ群0.9%)、白血球減少症(同21.0%、0.6%)、高血圧症(同9.9%、10.9%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)上昇(同9.3%、1.2%)、リンパ球減少症(同6.9%、0.9%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)上昇(同5.7%、1.2%)などであった。有害事象による投与中止はribociclib群7.5%、プラセボ群2.1%で生じた。

レスポンダーの特定が課題

 以上のデータを踏まえ、Hortobagyi氏は「HR陽性・HER2陰性の進行乳がんに対する初期全身治療では、ribociclib+レトロゾール併用群におけるPFS期間がレトロゾール単独投与群と比べ有意に長く、併用の有用性が示された」と指摘。さらに「ribociclib と他のシグナル伝達経路を阻害する物質を組み合わせることで、乳がんの一部のサブタイプでさらなる管理の向上も期待できそうだ」と展望している。

 イタリア・European Institute of Oncology教授のGiuseppe Curigliano氏は「レトロゾールにribociclib を併用することで毒性発現率が高まることも事実であるが、臨床的有用性の大きさを斟酌すればribociclibの追加により得られる成果の方が大きい」と指摘。「今後は、ribociclib併用療法に対するレスポンダーをバイオマーカーにより特定することができるかどうか、検討を進めるべきではないか」と提案している。

Mammary Oncology Assessment of LEE011's (Ribociclib's) Efficacy and Safety

(古川忠広)

  

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