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若年がんで心疾患死リスク上昇

15~39歳のがん患者20万例を解析

 2016年11月14日 07:05

イメージ画像 (c)Getty Images ※画像はイメージです

 がん診断時の年齢が低いと心疾患死リスクが上昇する。15~39歳でがんと診断された20万例を対象とした研究の結果、英・University of OxfordのKatherine E. Henson氏らはがん診断時の年齢がその後の心疾患による死亡リスクの重要な決定因子になるとCirculation2016; 134: 1521-1533)に発表した。

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診断時15~19歳のリスクは一般人口の4.2倍

 がん治療の長期的な副作用に関する研究は大部分が成人期または小児期のがんを対象としたもので、10歳代から若年成人のがんサバイバーによる研究はほとんど行われていない。

 今回Henson氏らは、15~39歳でがんと診断された20万例超を対象とする過去最大規模の住民対象研究Teenage and Young Adult Cancer Survivor Study(TYACSS試験)のデータを解析した。対象は、1971~2006年にイングランドおよびウェールズにおいて15~39歳で一次原発がんと診断され、5年以上生存した20万945例。5年生存した時点から2014年2月28日、死亡した日または追跡不能となった日のいずれか最も早い日まで追跡した(平均追跡期間14.3年)。2014年2月28日までに3万4,180例(17%)が死亡、2,016例(6%)の死因が心疾患であった。

 Poisson回帰モデルを用い、心疾患死の標準化死亡率比(SMR)および絶対超過リスク(AER)を解析した。がん全体の解析では、診断時年齢の上昇とともに心疾患全体のSMRおよびAERが低下する傾向が見られた(傾向の2P<0.0001)。診断時15~19歳群のSMR 4.2(95%CI 3.4~5.2)に対して35~39歳群では同1.2(同1.1~1.3)に低下し、15~19歳群のAER 3.6(同2.7~4.6)に対して35~39歳群では同1.4(同0.8~2.0)に低下した。この傾向は虚血性心疾患、心臓弁膜症、心筋症またはうっ血性心不全(CM/HF)のSMR(傾向の2P≦0.0001)およびAER(傾向の2P≦0.04)でも同様であった。

ホジキンリンパ腫サバイバーで顕著なリスク

 心疾患死リスクにはがんの種類による差が認められ(異質性の2P<0.0001)、ホジキンリンパ腫サバイバーのSMR(3.8、95%CI 3.5~4.2)およびAER(12.9、同11.4~14.5)が最も高かった。

 また、診断時年齢による心疾患死リスクの差が最も顕著であったのもホジキンリンパ腫サバイバーで、診断時15~19歳群がSMR 10.4(95%CI 8.1~13.3)であったのに対して診断時35~39歳群は同2.8(同2.3~3.4)であった。

 60歳以上のホジキンリンパ腫サバイバーでは、全超過死亡の27.5%が心疾患死であった。心疾患死の累積リスクが最も高かったのは若年時にホジキンリンパ腫と診断されたサバイバーで、診断時35~39歳群では2.0%が55歳までに心疾患で死亡していたのに対して、診断時15~19歳群では6.9%が死亡していた(log-rank 2P<0.0001)。なお、一般人口で予測される値は0.9%であった。

がん治療に伴う心毒性の理解に手がかり

 がん診断時期(1970~2000年代)別で見ると、心疾患全体および虚血性心疾患による死亡のAERは診断時期が最近になるほど低下していた。その理由として、Henson氏らはがん治療の変化により全体的な心毒性リスクが低下した可能性を挙げている。

 一方、心疾患死の77%を占めた虚血性心疾患は被曝(放射線療法)が危険因子となることが知られており、放射線療法が超過リスクに寄与した可能性がある。また、CM/HFのSMRが最も高かったのは急性骨髄性白血病サバイバー(SMR 8.2、95%CI 3.7~18.3)、心毒性を有するアントラサイクリン系薬が急性骨髄性白血病の治療に広く用いられていることを考えれば、同薬が原因の可能性がある。ただし、今回の研究では化学療法の内容や放射線療法の線量などの治療に関する詳細情報は得られなかった。

(太田敦子)

  

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