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「孤独感」がアルツハイマー病に関連?

アミロイド陽性の高齢者、社会的孤立にある確率7.5倍

 2016年11月14日 07:15

イメージ画像 (c)Getty Images ※画像はイメージです

 認知機能が正常な高齢者約80例を対象とした研究から、PETで脳アミロイドの蓄積が認められた高齢者では、認められなかった高齢者に比べて周囲から孤立していると感じるなど孤独感を抱いている確率が7.5倍であることが明らかになった。米・Brigham and Women's HospitalのNancy J. Donovan氏らがJAMA Psychiatry2016年11月2日オンライン版)に報告した。同氏らによると、脳アミロイドはアルツハイマー病(AD)発症前から蓄積が進むためADのバイオマーカーとされているが、その蓄積の有無が孤独感と関連することを示した初めての研究だという。この研究結果を踏まえ、同氏らは「孤独感はAD発症前に見られる神経精神医学的な初期症状の1つである可能性がある」との見方を示している。

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MCIよりも前段階の初期症状か

 以前から、ADの発症前に高リスク者を同定し、適切な予防や治療につなげるため、バイオマーカーの探索を中心にさまざまな研究が行われてきた。しかし、Donovan氏らによると、AD発症前の感情や行動の変化(神経精神症状)とADのバイオマーカーとの関連について検討した研究は少なかった。一方で、孤独感が認知機能の低下やADリスクに関連するとの報告があった。そこで今回、認知機能が正常な高齢者において、孤独感と脳アミロイド蓄積との関連について調べた。

 対象は、現在進行中の観察研究であるHarvard Aging Brain Studyに登録された65~90歳の高齢者79例(平均76.4歳)。Pittsburgh Compound B (PiB)-PETを用いて脳アミロイドイメージングを実施した他、孤独感はUCLA Loneliness Scaleを用いて「交友関係が狭いと感じる頻度」「疎外されていると感じる頻度」「周囲から孤立していると感じる頻度」の3項目についての自己評価スコアを指標に評価した。これらの他、不安やうつ、社会的な付き合いや社会的活動についてもデータを収集した。

 このうち22例(28%)がADリスクに関連するとされるAPOE ε4の保有者で、25例(32%)でPiB-PETによりアミロイドの蓄積が認められた。年齢、性、APOE ε4保有の有無、不安やうつ、社会的なネットワーク、社会経済的地位などで調整して解析した結果、アミロイド陽性の高齢者では、陰性の高齢者に比べ孤独感を抱く頻度が「時々」または「頻繁」である確率が7.5倍だった〔オッズ比(OR)7.5、95%CI 1.7~34.0、P=0.01〕。また、年齢のみで調整したところ、確率は3.1倍となった(OR 3.1、95%CI 1.01~9.5、P0.04)。さらに、アミロイドの蓄積量と孤独感との関連は、APOE ε4の非保有者に比べ保有者で強かったとしている。

 Donovan氏らは「認知機能が正常な高齢者において、アミロイドの蓄積が孤独感に関連していた。また、この関連はうつや不安、社会的なつながりなどで調整しても認められた」と結論。「社会的な孤立感は、AD発症前の軽度認知障害(MCI)よりもさらに前の段階で見られる初期症状の1つである可能性がある」との見方を示す一方、「孤独感を抱いている高齢者ではアミロイドの蓄積が進む可能性もある」としている。

(岬りり子)

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