メニューを開く 検索を開く ログイン

ホーム »  ニュース »  2016年 »  循環器 »  高リスクでも経皮的大動脈弁置換が可能に

高リスクでも経皮的大動脈弁置換が可能に

経大静脈アクセスによるTAVR―米・多施設臨床試験

 2016年11月15日 07:20

イメージ画像 (c)Getty Images、※画像はイメージです

 高リスクでも経大静脈アクセスにより経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)が可能になる。経大腿動脈アクセスに適さず、かつ経胸アクセスの適応とならない患者100例を対象とした米国の多施設医療機器臨床試験の成績から、米・Henry Ford HospitalのAdam B. Greenbaum氏らが、Journal of the American College of Cardiology2016年10月29日オンライン版)に発表した。出血および血管合併症が多く見られたが、今回対象となった高リスク群では許容できるとした。

続きを読む(読了時間:約 1 分) 

経胸アクセス非適応例で検討

 大動脈弁狭窄症に対するTAVRでは、経大腿動脈アプローチの代替経路として、経胸(経心尖または経大動脈)アクセスよりも低侵襲の方法が求められている。そこでGreenbaum氏らは、大腿静脈から隣接下大静脈を介して腹部大動脈に入る経大静脈アクセス(transcaval access)と呼ばれる新たな完全経皮的技術を開発した()。

図. 経大静脈アクセスによる経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)

Journal of the American College of Cardiology 2016年10月29日オンライン版

 今回の試験は、経大腿動脈アクセスに適さず、かつ経胸アクセスの適応とならない高リスク患者を対象に、米国立心臓肺血液研究所(NHLBI)および参加20施設の研究者が実施した。

 2014年7月~16年6月に100例が登録され、経大静脈アクセスによるTAVRを施行。大静脈アクセスは、透過性のニチノール心臓閉鎖栓を用いて閉鎖した。退院前および30日後の腹部CT画像を評価し、単一群で転帰を前向きに調査した。主要評価項目である手技成功(死亡または緊急外科処置なしでのアクセスとその閉鎖)とした。平均年齢は79.5(73~85)、女性が58%、白人が84%、Society of Thoracic Surgeons(STS)による予測死亡リスクは9.6±6.3%。

手技成功98例

 経大静脈アクセスおよび閉鎖は100例中99例で成功した。残る1例は、腸管動脈破裂により大腿動脈経由でTAVRを施行した。主要評価項目である手技成功は、カバードステントで閉鎖した1例を除く98例で達成された。経大静脈アクセスに起因する死亡例、同部位の緊急手術処置を要した例はなかった。

 入院生存率は96%、30日生存率は92%(心血管死7例、非心血管死1例)。経大静脈的TAVRの入院中、全体で35例が平均2単位の赤血球輸血を受けた。

典型的合併症は後腹膜血腫

 経大静脈アクセスに関連するとみられるValve Academic Research Consortium(VARC)基準による生命を脅かす出血、重大な出血はそれぞれ7例と5例。改定VARC2基準による重大な血管合併症は13例に認められ、典型的にはヘモグロビン低下を伴いCTで後腹膜血腫が検出された。30日後のCT評価では、大静脈―大動脈間の瘻管閉鎖が72%で確認された。後腹膜血腫は、退院前、30日後でそれぞれ24%、5%で検出されたが、ほとんどは軽微~中等度であった。平均入院期間は4(2~6)。退院後の血管合併症は認められなかった。

経胸アクセス適応例で検討すべき

 Greenbaum氏らは「経大動脈アクセスは、TAVRを行うための現実的な選択肢である。出血と血管合併症については、経胸的TAVRに比べても許容できる。経大静脈アクセスは、経胸アクセス適応例で検討されるべきである。手技を単純化し、出血を減少させる不透過性の閉鎖専用デバイスが開発中である。治療成績と適応選択は、経験の集積とデバイスの改良によって改善するかもしれない」と述べている。

(坂田真子)

コメント機能は会員限定サービスです。

セミナー開催情報

ランキング

  1. 1

    脳梗塞と誤認されたフグ毒中毒の症例

  2. 2

    真夏の夜の夢

  3. 3

    ASCO2017 がん免疫療法のトピックス

  4. 4

    8学会で抗菌薬適正使用を支援

  5. 5

    重症産後うつ病に有望な注射薬は?

  6. 6

    2050年に世界で1億1,500万人が失明

  7. 7

    開業に必要な3つの「決めるべきこと」

  8. 8

    生薬の"染色体毒性"を防いで流産防止

  9. 9

    米国のてんかん患者数が増加、CDC・2015年推計

  10. 10

    家庭血圧の日々変動が認知症発症リスクに

  11. アクセスランキング一覧 
  1. 1

    "HDL-C上昇薬"の悲劇と不可解

  2. 2

    漢方生薬、記載のない重大リスクも

  3. 3

    週3~4回の飲酒で糖尿病リスクが最低に

  4. 4

    製薬業界の自主規制、「行き過ぎてないか」

  5. 5

    生活指導で年相応の睡眠時間を

  6. 6

    "糖尿病が世界を滅ぼす"が現実に!?

  7. 7

    2つのチェックリストをフレイル予防に活用

  8. 8

    3つのGLを統合した成人肺炎診療GLとは?

  9. 9

    統合失調症、陰性症状の治療と支援

  10. 10

    うつ病像の変化、医療スタッフの変化も促す

  11. アクセスランキング一覧 

ホーム »  ニュース »  2016年 »  循環器 »  高リスクでも経皮的大動脈弁置換が可能に

無料会員登録で、記事が全文閲覧できます。

記事を読めば読むほどCapが貯まる貯めたCapで豪華商品プレゼントに応募!

アンケート調査にご協力いただくと謝礼をお支払い※謝礼が発生しないアンケートもございます

下記キャンペーンコードを登録時にご利用頂くと
1,000ポイントを進呈いたします。※医師会員のみ(既に登録済みの会員は対象外)

コード:P08505591有効期限:8月末まで