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拡大する「ロカボ」、企業も料理家も都市も

世界糖尿病デーでイベント

2016年11月15日 15:25

 1食20~40gの糖質制限食を「ロカボ」として推奨し、社会への普及を推進している食・楽・健康協会(理事長=北里研究所病院糖尿病センターセンター長・山田悟氏)は、世界糖尿病デーの11月14日、ロカボの最新動向を紹介するイベントを東京で開催した。同協会の取り組みは3年を経て、多くの企業や料理家の賛同を得つつあり、神戸市では市を挙げたプロジェクトが始動している。

街ぐるみでロカボ普及に取り組む―神戸市

 2013年の世界糖尿病デー(11月14日)に発足した食・楽・健康協会では、1食20~40g、1日70~130gの糖質制限食を「ロカボ」として推奨している(3食以外に間食10g)。このレベルの糖質制限なら、おいしく楽しく続けられ、糖尿病をはじめとする健康障害の改善に有用で、合併症防止による医療費の削減効果もあると主張する。

 同協会の主張は企業や料理家の間に浸透しつつある。多くのロカボ食品が開発されており、ロカボ食を提供するレストランなども増えている。今年(2016年)6月には、糖質制限食の適正な普及のため「ロカボマーク」を制定、同協会がロカボ食と認定した食品や食事への掲示を認めている(関連記事)。

 さらに、都市レベルでのロカボ普及の取り組みも始まった。9月に神戸市が宣言した「ロカボ神戸プロジェクト」である。神戸市は2020年に向け、食による街の活性化と世界への発信を目指す「食都神戸2020」構想を推進中だが、その理念にロカボが融合する形となった。発起人は料亭店主の上野直哉氏。今回のイベントでは、ケーキ店のオーナーパティシエの林周平氏とともに登壇し、ロカボの特別メニューを用意したところ好評だったなどのエピソードを紹介した。両氏の店をはじめ、神戸市内にはプロジェクトに参加する店が50軒を超えているという。11月20日には、同市で一般向けにロカボの体験セミナーが開催される。

睡眠時無呼吸の改善にも有効か

 山田氏は、糖質制限食をめぐる最近の研究動向を紹介。最新の話題として、ロカボが睡眠時無呼吸の改善にも有効である可能性を示した。

 これは、食・楽・健康協会が日の丸タクシー、ローソンと協同で両社の社員を対象に行っている取り組みの成果。ロカボに沿った食事指導を3カ月実施することにより、HbA1cや体重の低下が認められたが、アンケートで「勤務中の眠気が減った」という回答が多かった。そこで、約40人を対象に詳細な検討を行ったところ、指導前後の3カ月で睡眠時無呼吸指数(1時間当たりの10秒以上の呼吸停止回数)が26.2から20.6に低下。深い睡眠時間の比率は14.0%から19.1%に増加したという。睡眠時無呼吸は高血圧、糖尿病、心血管疾患の危険因子であるだけに、さらなる検証が期待される注目の知見といえそうだ。

(平田 直樹)

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