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自閉症への早期介入で長期的な効果

英RCT、親が主体のアプローチで6年後も中核症状を抑制

臨床医学 | 2016.11.16 07:20

イメージ画像 (c)Getty Images ※画像はイメージです

 自閉症の未就学児への早期介入によって長期的な効果が認められたとする初のランダム化比較試験(RCT)、Preschool Autism Communication Trial (PACT)の成績が明らかになった。英・University of ManchesterのJonathan Green氏らがLancet2016年10月25日オンライン版)に報告した。2~4歳の自閉症の小児に対し、医師や心理士などの専門家から指導を受けた親が介入することで、自閉症の中核症状の重症度が低下し、さらに介入終了から約6年後もその効果が持続していたとの結果が得られたという。

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親子のやり取りをビデオ撮影して専門家がアドバイス

 PACTは、2006年9月~08年2月に英国内の専門施設3施設で登録された2~4歳の自閉症児152例を対象に実施された。自閉症児に対して専門家などが直接介入するのではなく、親が専門家による指導を受け、主体的に介入することによる自閉症の重症度への影響が検討された。1年に及ぶ介入期間中、前半の6カ月間は親が専門家による2時間のセッションに計12回参加し、その後の6カ月間は月1回のペースで専門家によるサポートを受けた。また、親子のやり取りをビデオで撮影し、親が子供のコミュニケーションのパターンを理解して対応できるよう専門家がアドバイスしたり、1日20~30分間、親子でのコミュニケーションや遊びのアクティビティを行った。

 試験に参加した自閉症児は、これらの介入を実施する群(早期介入群)と、通常の治療を行う群(通常治療群)にランダムに割り付けられた。短期的な成績については、2010年にGreen氏らが同誌に報告している(Lancet 2010; 375: 2152-2160)。今回は、介入終了後さらに5.75年(中央値)追跡した結果について報告された。

 それによると、最終的に追跡できたのは121例で、うち59例が早期介入群、62例が通常治療群だった。追跡終了時の平均年齢は10.5歳だった。自閉症の重症度は自閉症診断検査(ADOS)の重症度スコア〔CSS、0~10点(スコアが高いほど重症)で評価〕を指標として評価し、親子間における自閉症児のコミュニケーション能力についてDyadic Communication Assessment Measure(DCMA)を用いて評価した。

介入終了後も日常生活に持続的に影響か

 その結果、ベースライン時における重症度スコアは早期介入群で8.0点、通常治療群で7.9点と同等だったが、1年間の介入終了時点ではそれぞれ6.7点、7.3点へと低下。さらに追跡終了時にはそれぞれ7.3点、7.8点となり、通常治療と比べた早期介入の効果量は0.7(95%CI -0.05~1.47)と算出された。また、重症度スコアが8~10点と高い小児の割合は、早期介入群で約46%、通常治療群で約63%と、通常治療群に比べ早期介入群で低かった。さらに、DCMAで評価したコミュニケーション能力に関しても、通常治療群に比べて早期介入群で優れていたという。一方、言語能力については両群間に有意差はなかったとしている。

 Green氏らによると、同試験では早期介入によって自閉症の中核症状のうち社会的コミュニケーションと反復的な行動について改善が見られた一方、言語や不安などのメンタルヘルスの領域では通常治療との差が認められなかったという。今回の結果について、同氏らは「これまで改善させることが難しいと考えられていた自閉症の症状を、早期介入によって改善できることが示唆された。ただ、早期介入によって治癒するわけではなく、症状が改善しても成長に応じて継続的なサポートは必要」としている。

 また、今回の介入アプローチは専門家が直接自閉症児に接するのではなく、専門家による指導を受けた親が主体となって取り組むものだが、その利点として「介入の終了後も自閉症児の日常生活に持続的に影響する可能性がある」と説明。同アプローチは幼少期の自閉症児への介入法として考慮する価値があるのではないかとの見解を示している。

(岬りり子)

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