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根治手術後の進行悪性黒色腫で延命効果

イピリムマブの国際共同第Ⅲ相ランダム化試験

 2016年11月17日 07:15
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イメージ画像 (c)Getty Images ※画像はイメージです

 免疫チェックポイント阻害薬イピリムマブにより根治切除後の悪性黒色腫で有意な延命効果が見られた。根治切除術後のステージⅢ悪性黒色腫患者に対する術後補助療法として免疫チェックポイント阻害薬イピリムマブ10mg/kg/日を使用した場合の有効性および安全性を検討した第Ⅲ相二重盲検ランダム化試験の成績を仏・University Paris-SudのAlexander M.M. Eggermont氏らがN Engl J Med2016; 375:1845-1855)で発表した。この結果は、10月7~11日にコペンハーゲンで開かれた欧州臨床腫瘍学会議(ESMO)2016でも報告された。

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日本の適応は「根治切除不能」

 イピリムマブは、ヒト細胞傷害性Tリンパ球抗原(CTLA)-4に対する遺伝子組み換えモノクローナル抗体であり、悪性黒色腫などでの抗腫瘍免疫応答増強効果が見込まれている。

 2011年以降、米国をはじめ世界各国で進行期の悪性黒色腫を適応とするイピリムマブ3mg/kg/日の使用が承認されている。わが国でも2015年に「根治切除不能な悪性黒色腫」を適応としてイピリムマブの製造販売が承認されたが、「術後補助化学療法における有効性および安全性が確立していない」ことから根治切除後の患者への使用は認められていない。

 今回の第Ⅲ相試験は、進行期の悪性黒色腫患者(前治療歴があり根治切除不能なステージⅢ患者およびステージIV患者)を対象としてイピリムマブの用量別(1日用量0.3mg/kg、3mg/kg、10mg/kg)効果を比較した第Ⅱ相試験(Lancet Oncol 2010; 11: 155-164)の結果を踏まえて実施された。

試験は高用量10mg/kg/日で実施

 対象は、第Ⅱ相試験とは異なり、根治切除術後のステージⅢ悪性黒色腫患者(18歳以上)で前治療歴(悪性黒色腫に対する化学療法歴)がない患者951例。2008~11年に19カ国99施設で被験者をイピリムマブ10mg/kg/日群(475例)またはプラセボ群(476例)にランダムに割り付け、まず3週間隔で4回投与した後、3カ月間隔での投与を最大3年間継続した。同期間内でも疾患再発または不耐容レベルの毒性作用が認められた場合には投与を中止した。

 Eggermont氏によると、同試験でイピリムマブ用量を10mg/kg/日としたのは、第Ⅱ相試験における用量別検討で最も優れた応答率が得られたことを受けての措置であるという。

 今回、主要評価項目は無再発生存率(RFS)、副次評価項目は全生存率(OS)、無遠隔転移生存率(DMFS)、安全性とした。

生存期間が有意に延長

 追跡期間の中央値は5.3年。5年RFSはイピリムマブ群の40.8%に対しプラセボ群では30.3%と有意差が認められた〔、再発または死亡のハザード比(HR)0.76、95%CI 0.64~0.89、 P<0.001〕。

図. 無再発生存率(RFS)のKaplan-Meier曲線

N Engl J Med 2016; 375: 1845-1855)

 5年OSはイピリムマブ群で65.4%、プラセボ群で54.4%(全死亡のHR 0.72、95.1%CI 0.58~0.88、P=0.001)、5年DMFSはイピリムマブ群で48.3%、プラセボ群で38.9%(遠隔転移または死亡のHR 0.76; 95.8%CI 0.64~0.92、 P=0.002)であった。

 グレード3またはグレード4の有害事象はイピリムマブ群の54.1%、プラセボ群の26.2%で生じ、グレード3またはグレード4の免疫関連有害事象はそれぞれ41.6%、2.7%で認められた。イピリムマブ群における免疫関連有害事象は消化管(16.1%)、肝(10.8%)、内分泌系(7.9%)で高頻度に発現していた。イピリムマブ群では5例(1.1%)が免疫関連有害事象により死亡しており、その内訳は3例が大腸炎(うち2例で腸管穿孔が認められた)、心筋炎、ギラン・バレー症候群関連の多臓器不全が各1例であった。

 Eggermont氏は「高リスクのステージⅢ悪性黒色腫に対する補助療法としてイピリムマブ10mg/kgを用いることで、RFS、OS、DMFSがいずれもプラセボ群と比べて有意に延長することが示された。その一方で、イピリムマブ群では免疫関連有害事象の発現頻度が高く、確立した治療アルゴリズムの使用下においても死亡したケースが存在した」と指摘している。

(古川忠広)

  

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