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妊婦の血清鉄高値が妊娠糖尿病リスクに

米NICHD周産期コホート研究

臨床医学 | 2016.11.21 07:20

イメージ画像 (c)Getty Images ※画像はイメージです

 妊婦の血清鉄バイオマーカー高値は、妊娠初期から妊娠糖尿病(GDM)リスク上昇に関連する。前向き多人種コホート内の症例対照研究の結果を、米Eunice Kennedy Shriver国立小児保健発育研究所(NICHD )のShristi Rawal氏らが、Diabetologia2016年11月10日オンライン版)に発表。妊婦への習慣的な鉄補充についての世界保健機関(WHO)などの推奨に対して懸念を示した。

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GDM発症前に2回鉄レベル測定

 鉄の欠乏と過剰はどちらも有害で、生体システムで諸刃の剣とされる。また、非妊婦で貯蔵鉄の高値と耐糖能異常との関連が示唆されている。Rawal氏らは、前向き多人種Eunice Kennedy Shriver NICHD Fetal Growth Studies-Singleton コホート(2009~13年)の対象のうち、妊娠前慢性疾患のない女性で、年齢(30歳)、人種/民族(白人23%、黒人14%、ヒスパニック38%、アジア/太平洋諸島24%)および採血時在胎週数をマッチさせた、GDMを発症した107例と対照214例を対象に症例対照研究を実施。GDM診断前2回(妊娠12~14週・15~26週)測定された、新旧4種類の血清鉄バイオマーカーレベルとGDM発症との関連を検討した。

妊娠中期sTfR/フェリチン比低値はGDMリスクと強く関連

 GDM群の妊娠15~26週のヘプシジン濃度は、GDMのない対照群に比べて16%高く(中央値6.4 ng/mL対5.5 ng/mL、P = 0.02)、GDMリスクと正の関連を示した。最低4分位と比較した最高4分位の調整後オッズ比(aOR)は2.61(95%CI 1.07~6.36)。フェリチン値も同様に、GDMリスクと正の関連を示し、最低4分位と比較した最高4分位のaORは、10~14週で2.43(同1.12~5.28)、15~26週で3.95 (同1.38~11.30)。トランスフェリン受容体(sTfR)単独はGDMとの関連がなかったが、細胞の鉄不足と鉄貯蔵の両方の指標であるsTfR/フェリチン比は、GDMリスクと負の関連を示し、最低4分位と比較した最高4分位のaORは、10~14週で0.33(95%CI 0.14~0.80)、15~26週で0.15 (同0.05~0.48)。この負の関連は、主にフェリチン値による可能性があり、解釈に注意を要するとしている。 

妊婦への習慣的な鉄補充に警鐘

 今回の結果について、Rawal氏らは「生物学的に説得力がある」と述べ、「鉄がGDM発症に関与する機序の1つとして、過剰鉄の蓄積で誘発される酸化ストレスが膵β細胞を障害し、インスリン分泌不全の一因になる可能性が考えられる」としている。

 また、同氏らは「今回、比較的健康な妊婦で、鉄貯蔵の上昇が妊娠第1期からGDM発症に関与することが示唆された。この知見は臨床および公衆衛生上重要で、鉄貯蔵上昇と耐糖能異常との関係について検証対象を妊婦にも広げるとともに、鉄が充足した妊婦への習慣的な鉄補充の推奨に対する懸念を呼び起こす」と結論付けている。

妊娠年齢、採血時妊娠週数、未経産、教育、糖尿病家族歴、妊娠前BMIおよび血清CRP値で調整

(坂田真子)

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