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実臨床での死亡率、TAVIが外科治療上回る

中等度リスクの大動脈部狭窄症患者で、ドイツ・GARY

 2016年11月21日 11:40
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米国心臓協会学術集会(AHA 2016)記事一覧

 「手術リスクが中等度の重症大動脈弁狭窄症患者では、術後1年時点の死亡率は外科的大動脈弁置換術(SAVR)群の10.9%に対して、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)群では15.5%と有意に高かった」とするドイツの大動脈弁狭窄症患者レジストリであるGARYの解析結果が明らかになった。同国Medical Clinic B, Klinikum LudwigshafenのNicolas Werner氏が米国心臓協会学術集会(AHA 2016、11月12~16日、ニューオリンズ)で報告した。選ばれた患者のみを対象としたランダム化比較試験(RCT)とは異なる実臨床での実態を明らかにするために実施された今回の研究だが、同氏は解析方法に限界があったとして、両群間における死亡率の差については慎重な見方を示した。

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2011~13年に登録された約6,000例のデータを解析

 TAVIは、重症の大動脈弁狭窄症があるが外科手術は適応できないか、手術リスクが高い患者に対する治療選択肢として推奨されている。一方、これまでに手術リスクが中等度〔米国胸部外科学会(STSスコア4~8%〕の患者の一部において、死亡率や脳卒中の発生率はTAVI とSAVRで同等だったことがRCTのPARTNER Ⅱ試験で示されている。しかし、RCTの多くは一定の基準を満たす選択された患者群を対象に実施されており、実臨床での状況が反映されているわけではない。

 こうした中、ドイツでは一部の施設で手術リスクが中等度の重症大動脈弁狭窄症患者に対してもTAVIが実施されている。そこでWerner氏らは、ドイツの大動脈弁狭窄症患者レジストリであるGARYのデータを用いて、TAVIが施行された手術リスク中等度の重症大動脈弁狭窄症患者の特徴や、SAVRと比べた治療成績について検討した。

 解析対象は、2011年1月~13年12月に同国内の89施設で登録された手術リスク中等度(Euroスコア10~20%)の重症大動脈弁狭窄症患者5,997例。うちTAVI施行例は4,101例、SAVR施行例は1,896例だった。

施設によってTAVI実施率に大きな開き

 患者背景を見ると、TAVI群はSAVR群に比べ高齢で(平均年齢81.8歳vs. 75.9歳)、女性の割合が高く(61.6% vs. 54.1%)、手術リスクが高かった(平均Euroスコア14.4 vs. 13.4、平均STSスコア5.2 vs. 3.7)。なお、TAVI施行例のうち経大腿アプローチによる施行例が75.0%を占め、経心尖アプローチは25.0%だった。

 また、手術リスクが中等度の大動脈弁狭窄症患者に対するTAVI実施率は、施設によって0~100%とばらつきが大きいことも明らかになった。

 入院中の合併症の発生率は、重症脳卒中がTAVI群1.5%、SAVR群1.2%、軽症脳卒中がそれぞれ1.2%、1.3%、心筋梗塞は0.3%、0.5%だった。

フレイルの有無など考慮されず

 全死亡率は入院中でTAVI群が3.8%、SAVR群が2.6%(P0.02)、術後30日でそれぞれ4.6%、3.2%(P=0.01)、術後1年で16.6%、8.9%(P<0.001)だった。さらに、傾向スコア解析を実施した結果、術後1年時点の死亡率はSAVR群の10.9%に対してTAVI群では15.5%と有意に高かった(P=0.002)。なお、経大腿アプローチによるTAVIのみに限定してSAVRと比較したところ、同死亡率はSAVR群の10.8%に対してTAVI群では14.3%と有意に高かった(P=0.021)。

 以上の結果を報告した上で、Werner氏は①実臨床でTAVIが施行された手術リスクが中等度の患者の院内死亡率は4%未満と低い②傾向スコア解析では1年後の死亡率でTAVI群とSAVR群の間に有意差があった―ことなどが明らかになったと結論。また、PARTNER Ⅱ試験ではSAVRに対するTAVIの非劣性が示されたが、今回の研究からは実臨床におけるTAVIとSAVRの実態が明らかになったと付け加えている。

 ただ、研究の限界として、フレイルの有無に関するデータはTAVI群でのみ入手できたことなどから、交絡因子の調整が不十分であった可能性があると説明。TAVI群とSAVR群の間に認められた死亡率の差には、今回考慮されなかった因子が影響している可能性があるとの見方を示した。

※German Aortic Valve Registry

(AHA 2016取材班)

  

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