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両眼iPadゲーム治療で小児弱視改善

両眼のコントラストバランスを回復

臨床医学 | 2016.11.29 07:15

イメージ画像 (c)Getty Images ※画像はイメージです

 小児の弱視治療において、iPadを用い両眼を使ってゲームを行う治療が現在の標準治療であるアイパッチ療法よりも改善効果が高いことがランダム化比較試験(RCT)で明らかになった。米・Retina Foundation of the SouthwestのKrista R. Kelly氏らが、JAMA Ophthalmology2016年11月10日オンライン版)で報告した。

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両眼のコントラストバランスを回復

 小児の弱視に対しては健眼にアイパッチをして弱視眼の発育を促すアイパッチ療法が標準治療とされてきた。しかし、このアイパッチ療法は両眼に働きかける治療ではなく、正常視力が回復するとは限らない。一方、両眼を使ってゲームを行う治療は、両眼のコントラストバランスを回復し、弱視の治療に役立つ可能性があるものの、アイパッチ療法と同様の治療効果が得られるかは不明だった。

 そこでKelly氏らは、両眼を使ってiPadを用いて行うアドベンチャーゲーム「Dig Rush」の弱視治療効果を評価するとともに、この両眼ゲーム治療とアイパッチ療法の治療効果を比較検討するRCTを行った。この両眼ゲームでは、高コントラストの画像を弱視眼で捉え、低コントラストの画像を健眼が捉え、灰色の画像を両眼が捉えることにより、弱視の改善効果が期待される。

1日1時間、週5日を2週間継続

 2015年2月20日~16年1月4日に非営利の眼研究所において登録した28例を、両眼ゲーム治療群(14例)とアイパッチ治療群(14例)にランダム化し、交差試験で検討を行った。主要評価項目は2週間後の弱視眼の最高矯正視力(BCVA)の変化、副次評価項目は立体視および抑制の変化と4週間後のBCVA変化とした。

 両眼ゲーム群は、家庭で1日1時間×5日間ゲームを行い、これを2週間継続した。アイパッチ群は、毎日2時間、健眼にアイパッチを付ける治療を2週間継続した。視力検査はBCVA、立体視、抑制暗点の大きさ、抑制の深さの4項目で評価した。

最高矯正視力を有意に改善

 対象全体の平均年齢は6.7歳(4.6~9.5歳)、女児は25%。弱視眼における治療前の平均BCVAは対数視力( logMAR)で0.48(範囲0.3~0.8 logMAR)。両眼ゲーム群(14例)とアイパッチ群(14例)で2週間後の弱視眼の平均BCVAは、両眼ゲーム群では治療前に比べて0.15logMAR(1.5列、P<0.001)改善したのに対し、アイパッチ群では0.07logMAR(0.7列、P=0.006)の改善であり、両眼ゲーム群はアイパッチ群に比べてBCVA改善効果が有意に高いことが示された(P=0.02)。また、両群とも抑制暗点の大きさに変化は見られなかったが、抑制の深さは両眼ゲーム群で4.82から3.24に改善し(P=0.03)、アイパッチ群では4.77から2.57に改善(P=0.004)した。

アイパッチ療法からの切り替えにより改善

 2週間の治療終了後、アイパッチ群14例に対し2週間両眼ゲーム治療を行ったところ、BCVAは平均0.16log MAR(1.6 列)となり、両眼ゲーム群における4週間治療後の平均BCVA〔0.17logMAR(1.7 列)〕に接近し、BCVA改善における両群の有意差はなくなった(P=0.73)。

 以上の結果から、Kelly氏らは「小児の弱視に対する2週間の両眼iPadゲーム治療はアイパッチ療法より有効であった」と述べ、「両眼ゲームはコントラストのバランス回復により抑制を克服することから、弱視治療における有力な治療選択肢となる」と結論付けた。

(坪山容子)

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