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重病小児の27%が急性腎障害を発症

国際大規模前向き疫学研究

 2016年11月29日 07:20

イメージ画像 (c)Getty Images ※画像はイメージです

 国際的な大規模前向き疫学研究において、集中治療室(ICU)での治療を要する重病の小児~若年成人の4分の1以上の27%が急性腎障害を発症し、重症の急性腎障害が死亡リスクの増加を招くことが明らかになった。米・Cincinnati Children's Hospital Medical CenterのAhmad Kaddourah氏らがNEJM2016年11月18日オンライン版)に報告した。

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生後3カ月~25歳の4,600例以上を検討

 種々の疾患が原因で重病の状態にある患者は急性腎障害を合併しやすく、これが慢性腎臓病へと進行することがあるとの指摘がなされているが、小児~若年成人の急性腎障害の疫学に関しては、これまで小規模または後ろ向き研究での報告しかなかった。今回、Kaddourah氏らは国際規模の前向き疫学研究であるAWARE研究を実施し、ICUでの治療を要した重症の小児~若年成人における急性腎障害の発症と予後への影響を検討した。

 同研究では、2014年の3カ月間にアジア、オーストラリア、欧米の小児ICU 32施設のいずれかに48時間以上滞在した生後3カ月~25歳の全例を前向きに調査した。解析対象は、解析に必要なデータの整っていた4,683例で行われた。

ICU入室後7日間に発症した急性腎障害は27%

 「Kidney Disease : Improving Global Outcomes」基準に従い、ICUに入室後7日間の急性腎障害の発症頻度と重症度(ステージ)を評価し、ステージ2~3(血清クレアチニンがICU入室前3カ月間の最低値の2倍以上に上昇、または12時間以上の尿量が0.5mL /kg /時未満)の急性腎障害を重症腎障害とした。主要評価項目は28日間の死亡率、副次評価項目はICU滞在期間、人工呼吸器の適用有無および期間、extracorporeal membrane oxygenation(ECMO)の適用、腎代替療法の適用である。ICU入室前3カ月以内の血清クレアチニン値、およびICU入室後7日間と28日後の臨床および検査記録を取り、解析を行った。

 その結果、ICU入室7日以内に急性腎障害を発症したのは1,261例(26.9%)で、543例(11.6%)が重症急性腎障害(ステージ2~3)と診断された。

重症の28日死亡リスクは1.77倍

 また28日死亡率は、重症急性腎障害の患者で11.0%と、その他(非急性腎障害およびステージ1の急性腎障害)の患者の2.5%に比べ有意に高いことが明らかになった(P<0.001)。16種の変量で調整した多変量解析の結果、重症急性腎障害は、28日以内の死亡を増加させる有意なリスクであった(オッズ比1.77、95%CI 1.17 ~2.68、P<0.001)。この他に、腎代替療法の適用も、強力な28日死亡リスク上昇因子だった(同3.38、1.74~6.54、P<0.001)。

 また、急性腎障害の重症度ステージが高いほど、28日死亡率は上昇し(P<0.001)、ICU滞在期間の延長、腎代替療法の適用増加、ECMOの適用増加、人工呼吸器の適用増加、装着期間の延長にもつながっていた(いずれもP<0.001)。さらに、尿量の減少から急性腎障害と診断された患者の67.2%は、血清クレアチニン値が診断基準を満たしておらず、血清クレアチニンのみでの急性腎障害診断では患者を見落とす危険性があることが示された。

急性腎障害検査の重要性を喚起

 検討の結果、大規模な前向き観察研究によりICUに搬入された小児~若年成人は7日以内に4分の1という高頻度で急性腎障害を発症することが示された。さらに、重症の急性腎障害を生じた患者では死亡増加を含む予後が不良であることが明らかになった。以上からKaddourah氏らは、ICU入室時の急性腎障害の包括的検査の必要性を指摘した。また米・MassGeneral Hospital for ChildrenのJulie R. Ingelfinger氏も同誌の付随論評(NEJM 2016年11月18日オンライン版)で「今回の報告により重病の小児~若年成人において急性腎障害が頻繁に発症するだけでなく、有害な転機につながることが示されたことでさらに注意深く急性腎障害のマーカーを調べる必要性が示された」と述べ、「急性腎障害を迅速に診断し治療することで、その後の慢性腎臓病の発症を抑制できる可能性がある」と指摘している。

(坪山容子)

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