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ω3脂肪酸の心保護機序を分子レベルで解明

 2016年11月30日 07:05
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 魚油に多く含まれているEPAやDHAなどのω3脂肪酸には心保護作用があるとされる。慶應義塾大学薬学部代謝生理化学講座教授の有田誠氏は先日東京都内で開かれた日本抗加齢医学会エデュケーショナルセミナーで、ω3脂肪酸を生合成できるように遺伝子改変したマウスを用いた実験結果を示した。その中で、EPA由来の代謝産物18-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(18-HEPE)が、心臓リモデリングの要因となる慢性炎症や線維化を抑制し、心機能を改善することなどを明らかにした。

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トランスジェニックマウスを駆使

 有田氏らは、従来、栄養学的な解析しかなされてこなかったω3脂肪酸の生理機能に対して新たな分子レベルでの解析を試みた。すなわち、哺乳類にはないω3脂肪酸合成能を持たせるために、線虫由来のω3脂肪酸合成酵素Fat-1を遺伝子導入したトランスジェニックマウスを作製した。このマウスの体内では、EPAが約20倍、DHAは約3倍増えているという。

 このマウスに大動脈縮窄手術を行い、心不全を強制的に発生させた。すると、心筋細胞の肥大は、遺伝子改変されていない通常マウスと差は見られなかったが、心臓の収縮能は圧負荷後4週以降(心不全期)でも低下せず維持されていた。間質の線維化と炎症細胞であるマクロファージの増加は著しく抑えられていた。

心臓リモデリングを改善

 その分子メカニズムを調べるため、マクロファージと心臓線維芽細胞の共培養による実験を行った結果、マクロファージの培養上清中に線維芽細胞の活性化抑制因子が見いだされ、その活性成分についてメタボローム解析を行ったところ、EPA由来の抗炎症性代謝産物、中でも18-HEPEが顕著に増加していることが分かった。そこで、18-HEPEを心不全モデルマウスに腹腔内投与したところ、心臓リモデリングや心機能低下に対する抑制効果が認められた。米国の研究グループからの最近の報告によると、ランダム化比較試験で、急性心筋梗塞後の患者に高用量のω3脂肪酸を6カ月間投与したところ、左室のリモデリングが改善されたという。

 有田氏は「ω3脂肪酸の心臓保護作用にはマクロファージの機能が重要で、それが心臓局所で産生する18-HEPEが心不全の原因となる心臓リモデリングの背景にある慢性炎症や線維化を抑制し、心機能を改善すると考えられる」と述べた。

(伊藤 茂)

  

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