再発性心膜炎に有効な薬剤
【海外短報】
2016年12月10日 07:00
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(c)Getty Images ※画像はイメージです
難治性の再発性心膜炎にインターロイキン-1β受容体拮抗薬のanakinraが有効な可能性があることを示す予備的研究の結果が、イタリアのグループによりJAMA(2016;316:1906-1912)に発表された。
同グループは、3回以上の再発歴を有するC反応性蛋白高値、コルヒチン抵抗性かつステロイド依存性の再発性心膜炎患者を対象に、anakinraの効果を検討する予備的な研究を実施した。
2014年6〜11月に21例を登録。全例にanakinra 2mg/kg/日(最大投与量100mg/日)を2カ月間投与し、その後は二重盲検下でanakinraまたはプラセボを6カ月間投与する群にランダムに割り付けた。主要評価項目は心膜炎の再発と、ランダム化後の再発までの時間とした。
Anakinra群に11例(女性7例、平均年齢46.5歳)、プラセボ群に10例(同7例、44歳)が割り付けられた。全例が12カ月以上追跡され、追跡期間の中央値は14カ月であった。
その結果、心膜炎の再発はプラセボ群が10例中9例(90%)であったのに対し、anakinra群では11例中2例(18.2%)と有意に少なかった。ランダム化後のプラセボ群の無再発生存期間の中央値は72日(四分位範囲64〜150日)だったが、anakinra群では追跡期間中に中央値に達しなかった(P<0.001)。
Anakinra投与中に21例中20例(95.2%)に一過性の局所皮膚反応が見られた他、1例に帯状疱疹、3例にトランスアミナーゼ値上昇、1例に虚血性視神経症が認められた。
(編集部)