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米の神経内科医「10人中6人がバーンアウト」

米国神経学会調査

 2017年02月03日 13:20
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イメージ画像 (c)Getty Images ※画像はイメージです

 米国神経学会(AAN)のタスクフォースが同学会の会員医師を対象に実施した調査から、米国内の神経内科医の10人中6人がバーンアウト(燃え尽き症候群)の状態にあることが明らかになった。タスクフォースの委員である米・University of Pittsburgh School of MedicineのNeil A. Busis氏らがNeurology2017年1月25日オンライン版)に発表した。この調査結果について、同学会会長のTerrence L. Cascino氏は「患者に質の高い治療を提供するには、神経内科医のwell-beingを守る取り組みが重要であるとことを再認識した」とコメントしている。

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60.1%に「情緒的消耗感」「脱人格化」いずれかの症状

 Busis氏らによると、医師は一般人口に比べてバーンアウトとなる頻度が高く、特に2011年から2014年にかけてバーンアウトの基準を満たす医師の割合が増加したという。また、医師の中でも専門領域によってバーンアウトのリスクの程度に差があること、バーンアウトには労働負荷が関連することが分かっている。中でも、米国の神経内科医療は需要が供給を上回る状況にあることが2013年の調査で明らかになっており、労働負荷が高いと考えられる神経内科医はバーンアウトとなるリスクも高い可能性がある。そこで、同氏らは今回、全米の神経内科医を対象に、バーンアウトの実態について質問票を用いた調査を実施した。

 対象は、AAN学会員の神経内科医4,127人。調査期間は2016年1月19日~3月21日で、1,671人から回答が得られた(回答率40.5%)。回答者の平均年齢は51歳、65.3%が男性で、1週間当たりの平均労働時間は56時間だった。また、33.7%が大学病院など教育施設の勤務医で、残りは開業医や病院などに勤務する臨床医だった。

 22項目の質問項目から成るMaslach Burnout Inventory-Human Services Survey(MBI-HSS)を用いてバーンアウトを評価した結果、バーンアウトの症状である情緒的消耗感や脱人格化を有する割合はそれぞれ53.4%、41.4%に上り、個人的達成感が低スコアだった割合も21.2%だった。また、情緒的消耗感または脱人格化のいずれかを有する医師の割合は60.1%に達していた。

AAN会長、今後の神経内科医不足に危機感

 さらに、教育施設の勤務医に比べて臨床医の方がバーンアウトである割合が高いこと(55.7% vs. 63.3%、P=0.004)、バーンアウトとなるリスクを高める因子は「1週間当たりの労働時間」「夜間のオンコール担当の回数」「1週間当たりの外来患者数」「事務作業に費やす時間」である一方、同リスクを低下させる因子は「サポートスタッフによる効率的な支援」「仕事の自律性」「仕事の意義」「適切な事務作業量」「高齢」「てんかん専門医」であることが示された。

 この他、「自分や家族のための時間を十分に持てている」と感じている割合は32.3%にとどまり、ワークライフバランスが不均衡であると感じている医師が多いことも明らかになった。

 今回の調査を実施したタスクフォースは「以前の調査でも神経内科医は他のほとんどの専門医に比べてバーンアウトの頻度が高く、職業に対する満足度が低く、ワークライフバランスが不均衡である割合が高いことが示されていたが、今回の調査によってそれが再確認された」と説明。また、その原因については①神経内科を選択する人の性格特性②時間がかかる上に細心の注意が必要となる神経学的アセスメントの在り方③治療に当たる神経疾患の多くは身体的のみならず知的、感情的にも深刻な症状を伴う場合が多いこと―などが考えられるとしているが、「これらの仮説を検証するためのさらなる研究が必要」との見解を示している。

 さらにCascino氏は、AANのプレスリリースで「現在、神経内科領域では米国内のほとんどの州で医療サービスに対する需要が供給を上回っている状況にあり、神経内科医不足を解消するためには2025年までにその数を20%増やす必要があると推定されている」と説明。その上で「今回、明らかになった神経内科医のバーンアウトの多さは、今後の神経内科医不足をさらに加速させる要因となる可能性がある」と危機感を示している。

※身体的・精神的・社会的に良好な状態

(岬りり子)

  

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