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妊娠中の体重が児の統合失調症リスクに関連

「増加不十分」「痩せ」でリスク上昇

 2017年02月24日 07:10
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イメージ画像 © Getty Images ※画像はイメージです

 スウェーデン・Karolinska InstituteのEuan Mackay氏らは「妊娠中の体重増加(gestational weight gain;GWG)が不十分であることが、出生児の非感情性精神病(統合失調症スペクトラム障害)リスクの上昇に関連していた」とする約52万例の人口登録データを用いた住民対象コホート研究の結果をJAMA Psychiatry2017年2月22日オンライン版)に発表した。同研究では、母親および父親の「痩せ」も同リスクの上昇に関連することが示されたという。

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標準体重の女性で増加8kg未満だとリスク上昇

 対象は、1982~89年に出生した52万6,042例(女性48.52%、男性51.47%、平均年齢26歳)で、13歳時点から2011年末まで追跡した。社会経済的地位および潜在的危険因子で調整したCox比例ハザード回帰モデルを用い、母親のGWGと出生児の非感情性精神病および狭義の統合失調症の発症リスクとの関連を検討した。

 追跡終了時点で2,910例が非感情性精神病、704例が狭義の統合失調症だった。母親のGWGが極めて不十分※1だった児の割合は、非感情性精神病の児では6.32%であったのに対して、非感情性精神病ではない児では4.52%だった。

 調整後モデルにおいて、GWGが極めて不十分な母親の児はGWG理想値群※2に比べて非感情性精神病のリスクが高かった〔調整後ハザード比(HR)1.32、95%CI 1.13~1.54〕。両親とも共通の兄弟姉妹間の比較モデルでも、GWGが極めて不十分な母親の児は非感情性精神病のリスクが上昇していた(同1.61、1.02~2.56)。狭義の統合失調症に関しても同様のパターンが認められた。

父親の「重度の痩せ」でリスク2.53倍

 さらに児の非感情性精神病リスク上昇は妊娠初期における母親の軽度の痩せ(BMI 17.0以上18.5未満)との弱い関連が認められ(HR 1.21、95%CI 1.01~1.45)、父親の重度の痩せ(BMI 16.0未満)との関連も認められた(同2.53、1.26~5.07)。

 Mackay氏らは「極めて不十分なGWGは、内分泌障害や吸収不良、摂食障害などの基礎疾患の存在を示唆している可能性もある。母親の体重増加不良につながる状態と児の非感情性精神病リスクとの関連を理解するためには、さらなる研究が必要だ」と説明。その上で、「われわれの研究結果は過去の研究から得られたエビデンスを裏付けるもので、妊娠中の不十分な体重増加が児の非感情性精神病の危険因子になることを示している。米国医学研究所(IOM)のガイドラインで示されている基準値を下回る体重増加は、児の神経発達に悪影響を及ぼす可能性がある」と結論付けている。

「妊娠中の栄養と児の精神疾患との関連で新たなエビデンス」

 米・Columbia UniversityのEzra Susser氏とKatherine M. Keyes氏は、同誌の付随論評(2017年2月22日オンライン版)で「Mackay氏らの研究は、妊娠中の栄養障害が児の精神疾患に及ぼす影響について、さらなるエビデンスを提供するものだ」としている。

 その一方で、現在の神経発達障害と妊娠中の栄養摂取に関する研究の問題点を指摘。「一般に神経発達障害の研究では特定の微量栄養素(例えば、妊娠中のコリン、葉酸、ビタミンD摂取)が個別に検討されているが、これらの相互作用に関するエビデンスの増加や、さまざまな神経発達障害の境界が曖昧」との理由から、複数の微量栄養素と神経発達障害をそれぞれまとめて検討した方がよいのではないかとの見解を示している。

※1 ベースライン時のBMIが 18.5以上25.0未満の標準体重だった女性で8kg未満の増加

※2 ベースライン時のBMIが 18.5以上25.0未満の標準体重だった女性で11.5~16.0kgの増加

(太田敦子)

  

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