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15年ぶり、米で糖尿病網膜症に新指針

米国糖尿病学会がステートメント発表

 2017年03月03日 13:05
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イメージ画像 © Getty Images ※画像はイメージです

 米国糖尿病学会(ADA)は、糖尿病網膜症診療の新たな指針を示したPosition StatementをDiabetes Care2017; 40: 412-418)に発表した。同学会による指針の改訂は2002年以来、15年ぶりとなる。糖尿病網膜症は4つの病期に分類し、糖尿病黄斑浮腫(DME)については中心窩を含む糖尿病黄斑浮腫(central-involved DME ;CIDME)か否かで分類。近年の診断および治療における劇的な進歩を反映させ、病期ごとに適切な検査間隔や治療法が提示された。

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血圧・脂質の管理が予防につながる

 この15年で糖尿病網膜症の診断・治療は劇的な進歩を見せている。網膜厚測定と網膜内病変の検出に用いる光干渉断層撮影(OCT)および無症候性微小血管病変を検出する広視野眼底撮影が普及したことに加え、抗血管内皮成長因子(VEGF)抗体の硝子体内注射によるDMEや増殖性糖尿病網膜症(PDR)の治療が可能となるなど、前回の指針が発表された2002年とは大きく様変わりした。また、新規の糖尿病治療薬やデバイスの改善により、患者自身の管理能力も向上した。

 これらを踏まえ、今回の指針では医師および患者が参照することを念頭に置いて、糖尿病網膜症の自然史、スクリーニング、治療の各段階について推奨事項がコンパクトにまとめられている。

血糖だけでなく血圧・脂質管理の至適化を推奨

 1980~2008年に世界各国で実施された35件の研究データを用いたメタ解析によると、糖尿病患者における糖尿病網膜症およびPDRの有病率はそれぞれ35.4%、7.5%となっている。とりわけ、先進国の20~74歳の成人における失明の多くが糖尿病網膜症によるものと指摘されている。

 糖尿病網膜症の有病率は糖尿病の罹病期間および血糖管理レベルと強く相関しており、血糖値を正常値に近づけることを目標とした厳格な糖尿病管理は、糖尿病網膜症の発症予防や進行遅延につながることが既に示されている。また、慢性的な高血糖状態や腎症、高血圧、脂質異常症が糖尿病網膜症リスクの上昇に関連することに加え、高血圧治療により2型糖尿病患者における網膜症の進行が抑えられることも複数の大規模前向きランダム化比較試験で示されている。さらに、脂質異常症患者ではフェノフィブラート投与により網膜症の進行遅延効果が期待でき、特に極めて軽症の非増殖性糖尿病網膜症(NPDR)で有効であることが報告されている。

 以上を踏まえ、今回の指針では糖尿病網膜症のリスク低減および進行遅延のため、血糖管理の至適化だけでなく、血圧および脂質の管理も至適化することを推奨している(推奨レベルA)。

網膜症確認されなければ隔年での検査も考慮可能

 スクリーニングに関しては、眼科専門医による散瞳検査および総合的眼検査の初回実施時期を1型糖尿病の成人患者では発症後5年以内、2型糖尿病患者では診断確定時点とするよう推奨(推奨レベルB)。妊娠を計画あるいは既に妊娠している1型または2型糖尿病の女性には、糖尿病網膜症の発症および進行のリスクに関するカウンセリングを行うとともに(同B)、妊娠前(既に妊娠している場合は妊娠初期)に初回検査を実施する(同B)としている。

 糖尿病網膜症が確認されれば、その後は眼科医による散瞳検査を少なくとも年1回のペースで実施することを推奨。なお、網膜症が進行している、または失明リスクがある場合にはより頻回な検査が必要(同B)としている。

 一方、検査で網膜症が確認されなかった場合には、その後の検査間隔は通常年1回とされているが、1~2回の検査で異常が確認されなければ費用効果の観点から「隔年での検査を考慮してよい(同B)」としている。ただし、妊婦の場合は妊娠初期、中期、後期に検査を実施し、必要に応じて出産から1年後にも検査を行う(同B)ことを推奨している。

中心窩を含む糖尿病黄斑浮腫に抗VEGF抗体治療を積極推奨

 網膜症の病期に関しては、①軽症NPDR②中等症NPDR③重症NPDR④PDR―の4段階に分類。また、DMEに関してはCIDMEおよび非CIDMEの2つに分類し、眼科専門医への紹介の必要性や検査および治療の方針が示されている()。

表. 糖尿病網膜症および糖尿病黄斑浮腫の分類と管理法

Diabetes Care 2017; 40: 412-418)

 なお、治療に関する推奨項目は以下の通り。

  • DMEあるいは重症NPDR、PDRでは、速やかに糖尿病網膜症の管理・治療に熟達した眼科医に紹介する(推奨レベルA)
  • レーザー光凝固療法(PRP)は、高リスクのPDR患者および一部の重症NPDR患者の失明リスクを低下させる(同A)
  • CIDMEは、抗VEGF抗体の硝子体内注入の適応となる(同A)
  • アスピリンにより網膜出血リスクは上昇しないため、心臓保護を目的としたアスピリン治療で網膜症は禁忌とならない(同A)

(古川忠広)

  

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