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AFの脳梗塞予防療法、8割が不適切

米国9万例超の診療記録に基づく研究

 2017年03月15日 11:45
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イメージ画像 © Getty Images ※画像はイメージです

 心房細動(AF)の既往を有する急性期脳梗塞患者の8割が、脳梗塞の発症前にガイドラインで推奨されている適切な抗血栓療法を受けていなかった。9万例超の診療記録に基づく後ろ向き観察研究の結果を米・Duke Clinical Research InstituteのYing Xian氏らがJAMA2017; 317: 1057-1067)に発表した。

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ワルファリン/DOAC投与は8%前後

 解析対象は、米国でGet With the Guidelines-Strokeプログラムに参加している1,622の病院に2012年10月~15年3月に入院した、AFの既往を有する急性期脳梗塞患者9万4,474例(平均年齢79.9歳、女性57.0%)。主要評価項目は、米国立衛生研究所脳卒中スケール(NIHSS)で評価した入院時の脳梗塞の重症度および院内死亡とした。

 解析の結果、全体で83.6%が脳梗塞発症前に常用量の抗凝固薬を投与されていなかった。発症前に常用量ワルファリン〔国際標準比率(INR)≧2〕を投与されていた患者(ワルファリン群)は7.6%、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)を投与されていた患者(DOAC群)は8.8%にすぎず、常用量以下のワルファリン(INR<2)を投与されていた患者(低用量ワルファリン群)が13.5%、抗血小板療法のみを受けていた患者(抗血小板療法群)が39.9%、抗血栓療法を全く受けていなかった患者(無投与群)が30.3%に及んだ。

 また、脳梗塞発症前のCHA2DS2-VAScスコアが2以上の高リスク群でも、83.5%が発症前に常用量の抗凝固薬を投与されていなかった。

脳梗塞の重症度と院内死亡リスクにも影響

 入院時のNIHSSスコアを比較すると、常用量ワルファリン群〔中央値4、四分位範囲(IQR)1~10〕およびDOAC群(同4、1~11)に比べ、無投与群(同7、2~16)、抗血小板療法群(同6、2~15)、低用量ワルファリン群(同6、2~16)はスコアが有意に高かった(P<0.001)。

 中等度~重度脳梗塞(NIHSSスコア≧16)の未調整発症率を比較すると、常用量ワルファリン群(15.8%、95%CI 14.8~16.7%)およびDOAC群(17.5%、同16.6~18.4%)に比べ、無投与群(27.1%、同26.6~27.7%)、抗血小板療法群(24.8%、同24.3~25.3%)、低用量ワルファリン群(25.8%、同25.0~26.6%)は発症率が有意に高かった(P<0.001)。

 院内死亡の未調整発生率は無投与群(9.3%、95%CI 8.9~9.6%)が最も高く、低用量ワルファリン群(8.8%、同8.3~9.3%)、抗血小板療法群(8.1%、同7.8~8.3%)、常用量ワルファリン群(6.4%、同5.8~7.0%)、DOAC群(6.3%、同5.7~6.8%)と続いた(P<0.001)。

常用量以下では無投与と同等の結果に

 交絡因子調整後の解析では、無投与群に比べて常用量ワルファリン群〔調整後オッズ比(OR)0.56、95%CI 0.51~0.60〕、DOAC群(同0.65、0.61~0.71)、抗血小板療法群(同0.88、0.84~0.92)は中等度~重度脳梗塞の発症オッズが低かった。院内死亡に関しても同様で、無投与群に比べて常用量ワルファリン群(調整後OR 0.75、95%CI 0.67~0.85)、DOAC群(同0.79、0.72~0.88)、抗血小板療法群(同0.83、0.78~0.88)は調整後オッズが低かった。ただし、低用量ワルファリン群の結果は無投与群と同等で、Xian氏らは「INRモニタリングおよび用量調節の重要性を裏付けるもの」としている。

 同氏らは「脳梗塞の危険因子として、AFは有病率が高く重要だが、治療可能だ」と指摘し、「ガイドラインの推奨にもかかわらず、多くの患者が脳梗塞予防のための正しい治療を受けていない。各種の抗凝固療法の試験結果と今回の結果を考えれば、AF患者に対する不十分または不適切な抗凝固療法が、かなりの数の脳梗塞の原因になっている可能性がある」と述べている。

(太田敦子)

  

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