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PCSK9阻害薬+スタチン、認知機能に害なし

エボロクマブのEBBINGHAUS試験

 2017年03月22日 18:15

第66回米国心臓病学会年次学術集会レポート(ACC 2017)

 スタチンによる脂質低下療法が認知機能に悪影響を及ぼす可能性が懸念されているが、心血管リスクの高い患者を対象としたEBBINGHAUS試験から、スタチンにPCSK9阻害薬エボロクマブを併用することで積極的にLDLコレステロール(LDL-C)を低下させても、認知機能への悪影響は認められないことが示された。米・Harvard Medical SchoolのRobert P. Giugliano氏が第66回米国心臓病学会年次学術集会(ACC 2017、3月17~19日、ワシントンD.C.)で発表した。

続きを読む(読了時間:約 1.5 分) 

PCSK9阻害薬と認知機能の関連を初めて前向きに検討

 スタチン療法をめぐっては、2012年に米食品医薬品局(FDA)が全てのスタチン系薬の添付文書に認知機能に悪影響を及ぼすリスクに関する追記指示を発表したが、その2年後には「スタチンは認知機能に関連しない」とする専門家委員会の結論が出された。

 一方、PCSK9阻害薬(エボロクマブおよびアリロクマブ)の複数の臨床試験に登録された9,000例超のデータのメタ解析では、1%未満とまれではあるが、同薬による認知機能低下リスクの有意な上昇が示されたことから、LDL-Cを下げ過ぎることによる認知機能低下への懸念が再び広がりつつあった。

 こうした中、EBBINGHAUS試験は記憶、注意、反応時間を含む認知機能と、PCSK9阻害薬との関連を前向きに検討した初の試験として実施された。

FOURIER試験の参加者約2,000例が対象に

 同試験の対象は、動脈硬化性心血管疾患の既往例において、至適用量のスタチンにエボロクマブを上乗せすることによる心血管イベントの抑制効果について検証したFOURIER試験の参加者1,974例(平均年齢63歳、女性28%)。既往の内訳は心筋梗塞75%、虚血性脳卒中20%、症候性末梢動脈疾患19%で、全例が中等度~高強度のスタチン療法を受けていた。認知症、認知機能障害またはその他の著しい精神・神経障害と診断された患者は除外した。

 タブレット端末を用いたCambridge Neuropsychological Test Automated Battery(CANTAB)による認知機能の検査を試験登録時および24週後、48週後、試験終了時に実施し、実行機能(注意、時間管理、計画、組織化、記憶)、ワーキングメモリー、記憶機能、反応時間を評価した。また、試験前および試験中、試験終了時に質問票により日常的認知機能を評価した。

 主要評価項目はCANTABで評価した視空間性ワーキングメモリー(Spatial Working Memory strategy index)とした。

LDL-C 25mg/dL未満と超低値でも認知機能に差なし

 中央値で19.8カ月追跡した結果、4種類の認知機能評価項目、質問票を用いて評価した日常的認知機能、医師が報告した認知機能に関連する有害事象のいずれに関しても、エボロクマブ群とプラセボ群との間で重要な差は認められなかった。また、LDL-C 25mg/dL未満という極めて低い値を達成した患者の認知機能は、それより高値の患者とほぼ同等だったことから、Giugliano氏は「認知機能への悪影響を心配せずに、エボロクマブとスタチンを併用して超低値のLDL-Cを達成できるという安心感をもたらす結果が得られた」と説明した。

 なお、同試験の追跡期間は平均で2年未満だったが、同氏によると一部の患者でより長期の追跡を行っているという。 また、今回の試験で認知機能の評価に用いられたCANTAB と呼ばれる検査法について、同氏は「過去30年間、160件を超える臨床試験において、認知機能正常例や統合失調症、アルツハイマー病などの患者で妥当性が確認されている検査法であり、薬剤による認知機能への好影響と悪影響の両方を評価する上で感度が高い方法だ」と説明した。

(ACC 2017取材班)

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