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医療・福祉の資格、養成課程の一部を共通化...厚労省方針〔読売新聞〕

yomiDr. | 2017.04.19 15:40

 厚生労働省は、保育士、介護福祉士、看護師など12の医療・福祉分野の国家資格などについて、養成課程の一部を共通化する方針を固めた。

 保育や介護分野などへの労働力の移動を容易にすることで、人手不足が懸念されている福祉人材を確保するのが狙い。今年度中に有識者らによる検討会を発足させ、2021年度から順次実施する。12の有資格者を合わせると500万人ほどという。

 医療・福祉分野の資格を取得するには、国が指定した専門学校や大学などで学ぶ必要があり、養成課程は資格ごとに異なる。このうち、同省は、社会福祉、保健、心理学など、学習内容の一部の教科や実技を再編成。職種横断的な「共通基礎課程」(1年程度)とし、それに加えて、資格ごとの「専門課程」を学べば、それぞれの資格を取れる仕組みに改める。

 例えば、介護福祉士の資格を持つ人(約141万人)が新たに保育士(約131万人)の資格を取るには現在、基本的に2年間の課程を修了する必要がある。新しい仕組みにより、共通基礎課程を修了した介護福祉士は、1年程度で保育士の資格も取れるようになる。

 保育ニーズの高まりや高齢化に伴い、保育士は今年度末までに約9万人、介護福祉士など介護人材は25年に約38万人不足すると推計されている。都市部では、人材が集まらず、定員の上限まで高齢者や園児を受け入れることができないケースも出ている。

 ただ、人手不足が社会問題となる中、介護や保育など分野ごとに人材を確保するのは限界があるため、同省は、複数の資格を取りやすくすることとした。

保育や介護、人材を有効活用

 労働力が減る中、人材不足が深刻な介護、保育分野を中心に養成課程の一部を共通化することは、人材の有効活用を図る点で意義がある。フィンランドは1992年、保育や介護など福祉や保健医療分野にまたがる同国独自の共通基礎資格制度を導入しており、職種間の転職もしやすいという。

 政策研究大学院大学の小野太一教授(社会保障論)は、「働く側の選択肢が広がるうえ、共通の教育を受けることで、現場で連携もしやすくなる」と話す。

 ただ、各資格のカリキュラムは、職務内容を考慮して組み立てられ、歴史もある。小野教授は「人材不足の観点に偏った議論になれば、専門性軽視との反発を招きかねない」とも指摘する。教科書の内容や授業の組み立て方をどう見直すか。処遇のさらなる改善など、課題も多い。丁寧な議論の積み重ねが必要だ。

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(2017年4月19日 読売新聞・社会保障部板垣茂良)

ヨミドクター

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