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米国の若年成人で脳卒中が増加

1995~2012年National Inpatient Sample入院データを解析

臨床医学 | 2017.04.20 07:15

イメージ画像 © Getty Images ※画像はイメージです

 米国立慢性疾患予防・健康増進センター(NCCDPHP)のMary G. George氏らは、1995~2012年のNational Inpatient Sample(NIS)の入院データを解析し、この期間に米国の若年成人では急性期脳梗塞による入院が増加するとともに、脳卒中の危険因子の保有率が上昇したとJAMA Neurol2017年4月10日オンライン版)に発表した。同氏らは「今回の結果は、若年成人の健康増進に目を向けるべきであるという警告になるはずだ」と述べている。

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若年男性で入院が倍増、55歳以上は変化なし

 George氏らは1995~2012年のNISから、主たる入院の理由がくも膜下出血、脳内出血または急性期脳梗塞である18~64歳の入院データを抽出。2年ごとの5期間(2003~04年から2011~12年)に分けて、脳卒中のタイプ、年齢(18~34歳、35~44歳、45~54歳、55~64歳)、性、人種/民族(非ヒスパニック系白人、非ヒスパニック系黒人、ヒスパニック、その他)別に入院の傾向を解析した。

 その結果、2003~04年から2011~12年の間に、18~34歳の非ヒスパニック系黒人およびその他の人種を除く18~54歳の全ての人種/民族および男女で、急性期脳梗塞による入院率が有意に上昇していた(線形回帰モデルによる傾向のP=0.007~0.001未満)。特に、18~34歳および35~44歳の男性では、1995~96年から2011~12年の間に入院率が約2倍に上昇していた(上昇率はそれぞれ74.8%、91.0%)。

 一方、55~64歳で有意な上昇が認められたのはヒスパニックのみで(P=0.02)、この年齢群の男女および非ヒスパニック系人種の入院率は不変であった。

 脳内出血およびくも膜下出血による入院率は2003~04年から2011~12年でほぼ変化がなかったが、くも膜下出血による入院率は45~54歳の男性(変化率-22.0%、P=0.01)および非ヒスパニック系黒人(同-27.2%、P=0.006)で有意に低下した。

複数の危険因子保有率が全年齢で上昇

 脳卒中危険因子の解析では、2003~04年から2011~12年に急性期脳梗塞で入院した全ての年齢群の男女において、古典的危険因子(高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙、肥満)の保有率が上昇していた。特に、18~34歳の男性では同期間に高血圧の有病率が34.0%から41.3%に上昇し(P<0.01)、脂質異常症の有病率は14.6%から29.1%に上昇した(P<0.001)。

 また、3個以上の古典的危険因子の保有率は、急性期脳梗塞で入院した全ての年齢群の男女で約2倍に上昇し(P<0.001)、脳内出血で入院した全ての年齢群の男女でも有意に上昇した(P<0.001)。

 急性期脳梗塞による入院率が18~54歳では上昇していたのに対して55~64歳では不変という結果について、George氏らは「同期間中に、高齢者の高血圧管理が若年成人に比べて改善されてきたことを示している可能性がある」と説明。「急性期脳梗塞を発症する若年成人では脳卒中危険因子の保有率が高く、上昇を続けていると分かれば、若年成人、公衆衛生医、臨床医、政策立案者の間に『思春期の患者やその家族、若年成人に脳卒中危険因子の検査と治療を受けさせ、早期発症の脳卒中による悲劇を避けるために健康的な生活を送るよう推奨しなければ』という緊迫感が生じるはずだ」と述べている。

診断法や定義の変遷を反映した可能性も

 米・University of MichiganのJames F. Burke氏とLesli E. Skolarus氏は、同誌の付随論評(2017年4月10日オンライン版)で「今回の結果が真の疫学的傾向を示しているなら、その理由を理解して改善に努めることが脳卒中に関わる者の最優先事項になるはずだ。しかし、そのような緊急の対処が必要かどうかはいまだ不明だ」と述べている。

 その理由として①診断分類システムの変更により、以前は一過性虚血発作に分類されたイベントが脳卒中に分類されるようになった②MRIの増加により、以前は診断されなかった微小病変が検出されるようになった③財政的な理由による診断名変更の可能性(脳卒中の診断に対するインセンティブ付与)―などを挙げ、「これらが結果に影響した可能性がある」と指摘している。また、危険因子の保有率の上昇に関しては「より正確な診療・診断分類が行われるようになっている傾向や、危険因子の定義の変更を反映している可能性がある」と述べている。

(太田敦子)

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