肝移植のブリッジ療法で良好な長期成績
【海外短報】
2017年07月01日 07:00
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肝細胞がん(HCC)患者に対する肝移植までの単独ブリッジ治療としてのラジオ波焼灼術(RFA)の長期成績が、米国などのグループによりHepatology(2017; 65: 1979-1990)に発表された。RFA後のがんの進行による移植待機リストからの脱落率は低く、肝移植後の良好な長期生存が示されている。
同グループは、肝移植待機HCC患者に対するRFAの長期試験で、待機リストからの脱落率、移植後の腫瘍再発、長期の全生存率(OS)や無再発生存率(RFS)、疾患特異的生存率(DSS)などへのRFAの影響を評価した。
対象は、2004年3月~14年10月に肝移植の初回単独ブリッジ治療としてRFAを受けた前がん病変がないde novo発がんのHCC患者121例(腫瘍数計156個、平均腫瘍径2.4cm)。初回RFAからの追跡期間は1.3~128.0カ月(中央値42.9カ月)だった。
がんの進行による移植待機リストからの脱落率は7.4%、肝移植後に確認されたHCC再発率は5.6%といずれも低かった。肝移植後の5年および10年OSはそれぞれ75.8%、42.2%、RFSは71.1%、39.6%であった。
Intention-to-treat解析による5年および10年OSはそれぞれ63.5%、41.2%で、対応するRFSは60.8%、37.7%、DSSはともに89.5%だった。
(編集部)