虫垂切除によるUCの重症度軽減見られず
【海外短報】
2017年08月14日 06:45
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虫垂切除は実施時期にかかわらず潰瘍性大腸炎(UC)の重症度軽減とは関係しないと、米国などのグループがGut(2017; 66: 1390-1397)に発表した。
若齢期の虫垂切除はUC発症と負の相関関係を示す。UCの臨床経過に対する虫垂切除の影響に関しては議論があるが、経過が軽くなるという意見が多い。同グループは、UCの診断と虫垂切除のタイミングに焦点を当て、虫垂切除がUCの臨床経過に与える影響を検討した。
米国立糖尿病・消化器・腎疾患研究所(NIDDK)のInflammatory Bowel Disease Genetic Consortiumデータベースを用いて、虫垂切除術施行と非施行UC患者で結腸切除術のリスクを比較した。また、虫垂切除の実施時期と結腸切除術との関係を検討した研究のメタ解析を行った。
対象は2,980例。うち虫垂切除術を受けていた患者は111例で、63例はUC診断前、48例は診断後の切除であった。多変量解析の結果、虫垂切除はいずれのタイミングでも結腸切除術の独立した危険因子(オッズ比1.9、95%CI 1.1~3.1)で、UC診断後の虫垂切除は結腸切除術との関係が特に強かった(同2.2、1.1~4.5)。
最新のメタ解析では、虫垂切除がUC診断前か診断後かによる結腸切除術率への影響は見られなかった。
(編集部)