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8学会で抗菌薬適正使用を支援

「抗菌薬適正使用支援プログラム実践のためのガイダンス」

 2017年08月18日 15:39
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 日本化学療法学会は昨日(8月17日)、同学会および日本感染症学会など関連8学会が合同で作成した「抗菌薬適正使用支援プログラム実践のためのガイダンス」を公式サイトで公表した。同ガイダンスは院内での抗菌薬処方に限定し、医師、薬剤師などの専門スタッフ、さらに専門スタッフを支える行政機関や病院経営者が行動すべき内容をまとめたものである。抗菌薬適正使用支援(AS)は1990年代に欧米で取り組みが始まり、日本での開始が急務となっている(関連記事:「チームで抗菌薬の適正使用を支援」、「どう捉える? 薬剤耐性率の目標値」)。

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主治医が抗菌薬の適切な管理が行えるよう支援

 近年、多剤耐性アシネトバクター属菌や、幅広い菌種に有効なカルバペネム系抗菌薬に耐性を持つ腸内細菌科細菌(CRE)などの新たな抗菌薬耐性菌が出現し、難治例の増加が世界的に問題となっている。

 ASとは、主治医が抗菌薬を使用する際に最大限の治療効果を導くだけでなく、有害事象を最小限にとどめ、いち早く感染症治療が完了できることを目指し、感染症専門医や薬剤師、看護師、臨床検査技師、看護師が主治医を支援することである(Clin Infect Dis 2007; 44: 159-177 )。

 医療機関における薬剤耐性菌対策として、①耐性菌の保菌・感染患者から非保菌患者への感染を拡大させない②抗菌薬を適切に管理する-が求められており、①の対策としては、日本でも整備されている感染制御チーム(ICT)の活動がある。 一方、②についてはASの実践が必要とされている。ASチーム(AST)は、感染症・感染制御の専門知識を有する医師および薬剤師を中心に、臨床微生物検査技師、感染管理看護師を含むメンバーで構成し、ICTとは別に組織することが望ましいとされている。しかし日本の医療機関では、専門資格を有する各職種の人的資源が必ずしも十分ではないことから、両チームの兼務は許容される。その際は、病院管理者による理解と支援が必須となる。

「許可制」の代替策としてのASTによる早期介入

 ASプログラムは各医療機関の実情に即して作成するが、ポイントは①介入②抗菌薬使用の最適化③微生物検査診断の利用④ASの測定評価⑤特殊集団の選択とASの集中⑥教育・啓発-の6点。 そのうち①について、欧米では効果的な介入手段として「感染症治療の早期モニタリングとフィードバック」「抗菌薬使用の事前承認」の2項目が推奨されている。

 後者に関しては、原則として院内で定めた抗メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)薬や広域スペクトラム抗菌薬など特定の抗菌薬を使用する場合は、感染症専門医や薬剤師の許可が必要となる。しかし日本では、これらの専門職が不足している、薬剤師の処方権が制限されているなどの理由により、多くの施設では許可制の導入が困難と考えられる。

 そこで、許可制の代替策に挙げられるのがASTによる早期介入だ。特定抗菌薬の処方と同時にASTが処方内容を把握し、その適正使用について早期に介入できる仕組みをつくることで、許可制と同等の効果を得ることが期待できるという。

 また②の抗菌薬使用の最適化については、感染症治療早期にASTが微生物検査のオーダーおよび画像診断、宿主や病原体情報などを活用した初期選択薬処方の適正判断を行う。用法・用量、治療期間をモニタリングし、必要であれば主治医にアドバイスするが、これには薬剤師主導の臨床薬理学的アプローチによる抗菌薬使用の最適化を支援する仕組みづくりが必要となる。

 8学会合同抗微生物薬適正使用推進検討委員会委員長で昭和大学臨床感染症学部門主任教授の二木芳人氏は、ASに取り組む上で核となりうる8学会が共同で作業を進めてきた経緯を同ガイダンス全文で解説。同ガイダンスがこれからASに取り組もうとしている医療機関の参考になればと祈念している。

(田上玲子)

  • 日本化学療法学会、日本感染症学会、日本環境感染学会、日本臨床微生物学会、日本薬学会、日本医療薬学会、日本TDM学会、日本医真菌学会
  

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