糖尿病がCABG後のグラフト開存に影響か?
【海外短報】
2017年08月19日 07:00
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© Getty Images ※画像はイメージです
糖尿病患者と非糖尿病患者で冠動脈バイパス術(CABG)後の長期グラフト開存率に差は認められないと、米・Cleveland ClinicのグループがJ Am Coll Cardiol(2017; 70: 515-524)に発表した。
CABGを受ける患者の50%近くは糖尿病を有するが、CABG後の長期グラフト開存に対する糖尿病の影響は明らかでない。同グループは、糖尿病患者では重度の冠動脈狭窄が多く見られるため、グラフト開存率は非糖尿病患者より不良であるとの仮説を立てて検証した。
1972~2011年に自施設で初回単独CABGを施行した5万7,961例のうち、薬物療法を受けていた糖尿病患者1,372例と非糖尿病患者1万147例を解析対象とした。CABG後、冠動脈造影が計1万5,887回行われ、内胸動脈(ITA)グラフト7,903本と伏在静脈グラフト2万66本で狭窄が確認された。
ITAグラフトの開存率は安定しており、糖尿病群と非糖尿病群で同程度だった。ITAグラフトの1年、5年、10年、20年開存率は糖尿病群がそれぞれ97%、97%、96%、96%、非糖尿病群が96%、96%、95%、93%であった。伏在静脈グラフトの対応する開存率は、糖尿病群がそれぞれ78%、70%、57%、42%、非糖尿病群が82%、72%、58%、41%だった。
患者特性を補正後、糖尿病はITAグラフトの早期(1年および5年)開存率良好(オッズ比0.63、95%CI 0.43~0.91、P=0.013)と関係していた。伏在静脈グラフトの開存率は、両群とも全期間を通じて同程度であった。
(編集部)
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