ピロリ陽性+高HbA1cで大腸腺腫リスク上昇
【海外短報】
2017年09月08日 06:30
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© Getty Images ※画像はイメージです
Helicobacter pylori(H. pylori)感染とHbA1c高値の重複は大腸腺腫のリスクを高めると、台湾のグループがJ Clin Endocrinol Metab(2017; 102: 2744-2750)に発表した。
H. pyloriと2型糖尿病は、ともに大腸腺腫の危険因子の可能性がある。同グループは、2006年7月~15年6月に自施設で同一日に上部と下部消化管の内視鏡検査を施行し、胃の生検組織によりH. pylori検査を行った40歳超の3,943例を対象に、H. pyloriとHbA1c高値の大腸腺腫への相互作用を検討した。
大腸腺腫の有病率はH. pylori陽性群が37.3%、陰性群が27.29%だった。多変量ロジスティック回帰分析では男性、年齢、BMI、H. pylori感染、HbA1c値6.5%以上は大腸腺腫の独立危険因子で、血糖降下薬の使用でこのリスクは低下した。
大腸腺腫の有病率はHbA1c値の上昇に伴って高くなり、オッズ比(OR)はH. pylori陽性でHbA1c値正常が1.44、H. pylori陰性で同値7.0%以上が1.68だった。H. pylori陽性とHbA1c値7.0%以上が重複した場合のORは4.79だった。HbA1c値の1.0%上昇は、H. pylori陽性患者における大腸腺腫有病率の42.4%上昇と関係していた。
(編集部)