アスピリンが妊娠高血圧腎症発症予防に有効
【海外短報】
2017年09月12日 06:00
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© Getty Images ※画像はイメージです
妊娠高血圧腎症のリスクが高い妊婦に対する低用量アスピリン投与は同症の発症を抑制し早産を減少させると、英国などのグループがN Engl J Med(2017; 377: 613-622)に発表した。
妊娠高血圧腎症は母児の死亡および合併症リスクと関係する。一方、妊娠中の低用量アスピリン投与が、妊娠高血圧腎症のリスク低下に有効かどうかは明らかにされていない。
同グループは、妊娠高血圧腎症の発症リスクが高いと予測された単胎妊婦1,776例を対象に、多施設二重盲検ランダム化比較試験を実施。妊娠11~14週から36週まで、低用量アスピリン(150mg/日)またはプラセボを投与する群に割り付けた。主要評価項目は、妊娠高血圧腎症を伴う妊娠37週未満での早産とした。
解析対象は、試験中に同意を撤回した152例と追跡できなかった4例を除く1,620例(アスピリン群798例、プラセボ群822例)だった。
解析の結果、妊娠高血圧腎症を伴う妊娠37週未満の早産はプラセボ群の35例(4.3%)に対し、アスピリン群では13例(1.6%)と有意に少なかった(オッズ比0.38、95%CI 0.20~0.74、P=0.004)。同意撤回および追跡不能例を含めた解析でも、結果に大きな変化はなかった。両群の服薬遵守率は良好であった。
新生児の有害転帰や他の有害事象の発現に有意な群間差は見られなかった。
(編集部)