肝硬変患者は出血性脳卒中の高リスク集団
【海外短報】
2017年09月13日 06:10
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肝硬変患者は脳卒中、特に出血性脳卒中(脳内出血、くも膜下出血)のリスクが高いと、米国のグループがJAMA Neurol(2017; 74: 927-932)に発表した。
肝硬変は肝臓外の出血性および血栓性合併症と関係するが、脳血管合併症のリスクとの関係についてはよく分かっていない。
同グループは、2008~14年のメディケアの入院と外来レセプトデータを用いて、66歳超の受給者の中からサンプルとしてランダムに5%(161万8,059例)を抽出し、肝硬変患者と肝硬変がない対照者の脳卒中全体およびサブタイプの発症率を比較した。
161万8,059例中1万5,586例(1%)が肝硬変患者(平均年齢74.1歳、女性46.6%)だった。平均4.3年の追跡で7万7,268例が脳卒中により入院していた。
解析の結果、1年当たりの脳卒中発症率は肝硬変群が2.17%、対照群が1.11%で、人口統計学的特性と脳卒中の危険因子を補正後、肝硬変群の対照群に対する脳卒中発症ハザード比(HR)は1.4(95%CI 1.3~1.5)と有意に高かった。
脳卒中のサブタイプ別のHRは脳内出血が1.9(95%CI 1.5~2.4)、くも膜下出血が2.4(同1.7~3.5)で、脳梗塞の1.3(同1.2~1.5)より高かった。
(編集部)