母乳哺育歴が子宮内膜症に保護的に作用
【海外短報】
2017年09月26日 06:00
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母乳哺育歴がある女性は子宮内膜症の発症リスクが低いと、米国のグループがBMJ(2017; 358: j3778)に発表した。
同グループは、1989~2011年に行われたNurses' Health StudyⅡの参加者で、最低6カ月続いた妊娠の経験を1回以上報告した女性7万2,394例を対象に、母乳哺育歴と子宮内膜症との関係を検討した。対象のうち3,296例が腹腔鏡で確認された子宮内膜症を自己報告していた。
解析の結果、総母乳哺育期間と完全母乳哺育期間は、子宮内膜症発症リスクの軽減と有意な関係を示した。10万人・年当たりの子宮内膜症発症は、総母乳哺育期間1カ月未満群(453例)に対し、同期間36カ月以上群(184例)で少なかった。
1回の妊娠における総母乳哺育期間の3カ月増加は子宮内膜症リスクの8%低下(ハザード比0.92、95%CI 0.90~0.94、傾向性のP<0.001)と、同様に完全母乳哺育期間の3カ月増加は同リスクの14%低下(同0.86、0.81~0.90、傾向性のP<0.001)と関係していた。生涯の総母乳哺育期間が36カ月以上だった女性は、母乳哺育の経験がない女性に比べ子宮内膜症リスクが40%低かった(同0.60、0.50~0.72)。
母乳哺育の子宮内膜症に対する保護作用は、過去5年以内に出産した女性で最も強かった(相互作用のP=0.04)。この保護作用は部分的に分娩後無月経の影響を受けていた。
(編集部)