HCV除去で2型糖尿病患者の血糖値改善
【海外短報】
2017年09月27日 06:00
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2型糖尿病に合併するC型肝炎ウイルス(HCV)感染が直接作用型抗ウイルス薬(DAA)による治療で完治した患者は血糖コントロールの有意な改善が得られると、米国のグループがDiabetes Care(2017; 40: 1173-1180)に発表した。
HCV感染は2型糖尿病の発症と関係し、糖尿病患者の血糖コントロールにも悪影響を及ぼす可能性がある。同グループは、DAA治療によるHCVの除去が血糖コントロールの改善と関係するかどうかを検討した。
対象は、退役軍人局のヘルスケアシステムでHCV感染に対するインターフェロン╱リバビリンフリーのDAA治療を受けた2型糖尿病患者2,435例。DAA治療の1年前および1年後のHbA1c値と糖尿病治療薬使用の変化を、ウイルス学的著効(SVR)達成群と非達成群で比較した。
その結果、登録時にHbA1c値が高かった患者では、SVR達成群で同値の有意な低下が確認された(-0.98%対-0.65%、補正平均差-0.34%、P=0.02)。SVR達成群では糖尿病治療薬の使用が減少し、特にインスリン使用率は41.3%から38%に有意な低下を示した。対照的に、SVR非達成群のインスリン使用率は49.8%から51%に上昇した。
(編集部)