メニューを開く 検索を開く ログイン

ホーム »  ニュース »  2017年 »   »  レンズの選択肢増える白内障治療

レンズの選択肢増える白内障治療

 2017年09月29日 06:10
プッシュ通知を受取る

 眼の水晶体が白く濁り視力が低下する白内障の治療においては、眼内レンズの種類が増え、選択肢が格段に広がった。しかし、「遠近両用」をうたう多焦点眼内レンズ(先進医療で自己負担)による治療後に、かすみやまぶしさ、視力不良などの理由で再手術に至るケースが見られるなど、新たな問題も生じている。9月20日に東京都内で行われた日本眼科医会主催の記者懇談会で筑波大学眼科教授の大鹿哲郎氏は「眼内レンズの選択肢が増えたことに伴い、治療後のライフスタイルを考え、優先する点などについて患者とよく相談した上でレンズを選択をすべき」と述べた。

続きを読む(読了時間:約 1.5 分) 

近方焦点が70cmの多焦点レンズも

 白内障の主な原因は加齢によるもので、水晶体の白濁は40歳代で30%、50歳代で約60%、60歳代で70%、70歳代で80%、80歳代でほぼ全例に見られるという。アトピー性皮膚炎や糖尿病などの影響で濁りが生じることもある。日本では白内障の手術数が年間約150万件と、高齢化の進展に伴い15年前の約2倍に増加。従来に比べて手術を希望する時期は早くなり、老眼や近視、乱視なども同時に矯正したいという患者側の要望も高まっているという。

 白内障の手術では、白濁した水晶体を取り除き眼内レンズを挿入するのが基本的な術式。眼内レンズには焦点の自動調節能力がなく、手術後にどこに焦点を合わせたいかをあらかじめ決めておき、眼の大きさや角膜のカーブを考慮してレンズを選択する。

 眼内レンズの素材は折り曲げられるアクリルやシリコンが主流で、直径6mmのレンズを角膜の脇に切開した2〜3mmの創口から挿入する。焦点は遠くまたは近くのみの単焦点の他、多焦点や乱視矯正用(多焦点のみ先進医療で自己負担)もある。多焦点眼内レンズにも種類があり、遠方の焦点(5m以上)の他、近方の焦点としては従来の30cm、40cm、50cmに加えて70cmも最近登場した。

患者とよく相談を

 近方焦点の30cmは読書や編み物、40cmはスマートフォンの操作、50cmは料理、70cmはテレビの視聴や買い物(値札が見える)に適する距離という。近方の焦点が長いほど、光のにじみやまぶしさなどの不快症状は少ないとされる。    

 大鹿氏は「多焦点眼内レンズは高価であるため、どうしても患者の見え方に対する期待が高くなる。そのため、術前に予想していた見え方より術後の見え方が悪いようであれば、不満を感じる患者もいる」と言う。「多焦点とは全ての距離で焦点が合うというより、むしろ二重焦点と理解してほしい。1つのレンズで遠近の2カ所に焦点を合わせようとするため、1つ1つの画像はクリアにならない」と指摘する。多焦点眼内レンズの取り替え理由としては、Waxy vision(かすみ)、グレア(まぶしさ)、ハロー(光のにじみ)、遠方視力不良、光視症、近方視力不良が多いという。

 なお、欧州では遠、中、近方に焦点が合う三重焦点眼内レンズ(国内未承認)も登場しているという。

 同氏は「眼内レンズの種類が増えた分、治療後のライフスタイルを見据えて、患者と時間をかけて相談した上で適切なレンズを選択してほしい」と強調した。

伊藤 茂

  

ピックアップコンテンツ

コメント機能は会員限定サービスです。

ワンクリックアンケート

自分の病院の外来にかかっていますか?(医師会員からの投稿)

ホーム »  ニュース »  2017年 »   »  レンズの選択肢増える白内障治療

MedicalTribuneウェブへようこそ
ご利用は完全無料です

今、会員登録いただくと
もれなく1,000ポイント進呈!※医師会員限定(既に登録済みの会員は対象外)
※ポイントはAmazonギフト券等に交換が可能です

本キャンペーンを適用するには
下記よりご登録くださいもしくは登録時に下記キャンペーンコードをご入力

P12510944 有効期限:12月末まで