抗血小板療法でB型肝炎患者の肝がん低下
【海外短報】
2017年12月01日 06:00
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抗血小板療法を受けていたB型慢性肝炎患者は肝細胞がん(HCC)の発症リスクが低いとのデータが、韓国のグループによりHepatology(2017; 66: 1556-1569)に発表された。
前臨床研究で、抗血小板療法のHCCに対する保護的作用が示されている。しかし、抗血小板療法がB型慢性肝炎患者のHCCリスクを低下させるかどうかは不明である。
同グループは、2002年1月~15年5月に登録されたB型慢性肝炎患者で、抗ウイルス療法により血清B型肝炎ウイルスDNA値が2,000IU/mL未満に抑制されていた1,674例のデータを後ろ向きに解析。抗血小板療法群(558例、アスピリン、クロピドグレルの単独または併用)と同療法非施行の対照群(1,116例)でHCC発症リスクを比較した。
研究期間中に63例(3.8%)がHCCを発症した。解析の結果、抗血小板療法群は対照群に比べ全集団および傾向スコアでマッチさせたペアのいずれにおいてもHCC発症リスクが有意に低く、ハザード比はそれぞれ0.44(95%CI 0.23~0.85、P=0.01)、0.34(同0.15~0.77、P=0.01)であった。
出血リスクは抗血小板療法群で有意に高かった(P<0.001)が、アスピリン単独療法ではリスクの増大は見られなかった。
(編集部)