リノール酸が2型糖尿病リスクを抑制
【海外短報】
2017年12月05日 06:05
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© Getty Images ※画像はイメージです
代表的なω6脂肪酸であるリノール酸が、2型糖尿病の発症に抑制的に作用することを示す研究結果が、国際共同研究グループによりLancet Diabetes Endocrinol(2017; 5: 965-974)の12月号に発表された。
ω6脂肪酸の代謝への影響については依然として議論がある。同グループは、リノール酸とその代謝産物であるアラキドン酸のバイオマーカーを測定し、2型糖尿病との関係を検討した研究の統合解析を行った。
解析対象は1970~2010年にアイスランドなど10カ国で行われた20件の前向きコホート研究で、非糖尿病の成人3万9,740例(コホートの平均年齢の範囲49~76歳、平均BMIの範囲23.3~28.4)が含まれた。計36万6,073人・年の追跡で4,347例が2型糖尿病を発症した。
多変量補正統合解析の結果、全脂肪酸に占めるリノール酸の割合が高いことが2型糖尿病の発症リスク低下と関係し、第1五分位と比較した第5五分位のリスク比(RR)は0.65(95%CI 0.60~0.72、P<0.0001)であった。リノール酸と2型糖尿病との関係はさまざまな測定サンプル(リン脂質、血漿、コレステロールエステル、脂肪組織)で類似していた。アラキドン酸に2型糖尿病との関係は認められなかった(RR 0.96、同0.88~1.05、P=0.38)。
リノール酸およびアラキドン酸と2型糖尿病リスクとの関係に年齢、性、BMI、人種、アスピリン使用、ω3脂肪酸値、FADS遺伝子変異による有意な影響は見られなかった。
(編集部)