SLE治療薬に血栓性イベント抑制効果なし
【海外短報】
2017年12月20日 06:00
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© Getty Images ※画像はイメージです
全身性エリテマトーデス(SLE)患者のヒドロキシクロロキン(HCQ)長期使用に血栓性イベント抑制効果は認められないと、台湾のグループがRheumatology(2017; 56: 2212-2221)に発表した。
SLE患者は一般集団に比べ血栓塞栓症の発症率が高い。同グループは、SLEの治療薬であるHCQの長期使用が血栓性イベントのリスク低下と関係するかどうかを検討した。
台湾国民健康保険研究データベースからSLE患者を抽出し、最初の1年間のHCQ処方から総投薬量に対する実服薬量の割合(MPR)が80%以上の患者をHCQ群、MPRが0%の患者を対照群として登録した(MPR 0%超~80%未満の患者は除外)。主要評価項目は、登録後1年間の血栓性イベント(急性冠症候群、脳梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症、末梢動脈疾患)発生とした。
8,397例の適格患者から、傾向スコアマッチングにより1,946組を解析対象とした。平均7.4年の追跡期間中に血栓性イベントの発生はHCQ群が139例(7.1%)、対照群が149例(7.7%)で有意差は認められなかった(ハザード比0.91、95%CI 0.72~1.15)。サブグループ解析でも有意な群間差はなかった。
(編集部)
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