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コミック発のALS研究基金受賞者決まる

ALS関連遺伝子の研究者2人を選出

 2017年12月22日 06:00
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 基金の助成対象者となった藤澤氏(右)と浅川氏

 累計発行部数1,900万部超を記録する人気コミック『宇宙兄弟』に登場し、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の研究を行うキャラクターの名を冠した第1回「せりか基金」賞の授賞式が12月15日、東京都で行われた。式では、受賞者で東京大学大学院薬学系研究科細胞情報学教室の藤澤貴央氏と国立遺伝学研究所の浅川和秀氏が自身の研究について説明した。両氏はALSの発症に関わる遺伝子や蛋白質の研究に取り組んでおり、基金から交付された助成金550万円がその研究に生かされる。また同基金からALS基金に対して、原因究明および治療法に関する研究を使途とした寄付金100万円が贈呈された〔関連記事「『宇宙兄弟』がALS研究を後押し!」〕。

SOD1、TDP-43をターゲットに

 藤澤氏はALS患者に見られる遺伝子変異のうち、日本人における遺伝性ALSの最多発症要因とされるSOD1に着目。100種類以上の変異が確認されている同遺伝子がコードする蛋白質の立体構造を考察、分析し、ALSの発症との関連性を検討した。

 同氏によると、SOD1蛋白質はストレス環境下で構造変化を起こし、小胞体膜蛋白質Derlin-1と結合。生理的小胞体ストレスを惹起させてストレス環境に対応するが、その機能を果たした後もなんらかの要因で分解されずに蓄積された場合、慢性的小胞体ストレスが生じ、ALSを発症する可能性が考えられるという。

 そこで研究では、この構造が変化したSOD1が分解されるメカニズムの解明を目標にしているとした()。

図. SOD1とALS発症との関わり

1712044_fig1.png

(授賞式資料より作成)

 また、同氏は「この分解メカニズムにおいてSOD1以外の遺伝子が関与していた場合、SOD1の遺伝子変異によらないALSに対する治療戦略の検討に寄与する」と述べた。

 一方、浅川氏は、ALSで徐々に失われていく運動ニューロンには、TDP-43という蛋白質が異常に集合し蓄積することが多いことに注目し、この現象と運動ニューロンの変性との因果関係の解明を目指している。

 人体の中の運動ニューロンを観察するのは非常に困難だが、透明な体を持った熱帯魚ゼブラフィッシュでは、体内の運動ニューロンの細胞全体を詳しく観察できる。

 同氏はこの特性を生かして、これまでに運動ニューロンの遺伝子操作技術を開発。さらに現在は、光照射による運動ニューロンの"遠隔操作"に取り組んでいる。

 同氏は「遺伝子操作や光操作を駆使して、運動ニューロン変性の根本的な原因に迫りたい」と研究の狙いを説明した。

 なお授賞式では、せりか基金が創設されるきっかけとなった『宇宙兄弟』の作者である小山宙哉氏がビデオメッセージを寄せ、「作中では、ALSは治る病気であるというつもりで描いている。現実のALSも治る病気になるよう願っている」とALSの研究進展に期待を寄せた。

陶山慎晃

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