ACS疑い例でhs-cTnI値5ng/Lは至適閾値か
【海外短報】
2017年12月31日 06:30
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急性冠症候群(ACS)疑い例のうち、高感度心筋トロポニンI(hs-cTnI)値が5ng/L未満の患者は30日以内の心筋梗塞(MI)または心臓死のリスクが低いことが、メタ解析で確認された。国際共同研究グループがJAMA(2017; 318: 1913-1924)に発表した。
Hs-cTnI検査はACSが疑われる患者の評価に広く行われている。受診時のhs-cTnI値が5ng/L未満の患者は低リスクと考えられているが、至適閾値は明らかでない。同グループは、ACS疑い例のhs-cTnI値を測定した前向き研究のメタ解析を行い、閾値5ng/Lのリスク層別化能を検討した。主要評価項目は、30日以内のMIまたは心臓死の発生とした。
解析対象は9カ国の19研究(計2万2,457例)で、30日以内のMIまたは心臓死は2,786例(12.4%)で発生していた。
Hs-cTnI値5ng/L未満の患者は1万1,012例(49%)で、登録時イベントまたは30日イベントの見逃しは60例だった。このうち59例は登録時のMI、1例は30日以内のMIで、心臓死の見逃し例はなかった。hs-cTnI値5ng/L未満の患者における主要評価項目の陰性的中率は99.5%、30日以内の心臓死はなく、1年心臓死(7例)の陰性的中率は99.9%であった。
(編集部)