治療抵抗性高血圧の改善に有望なデバイス
【海外短報】
2018年01月19日 06:02
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© Getty Images ※画像はイメージです
頸動脈内に留置して圧受容器反射を増幅するデバイスが治療抵抗性高血圧の改善に有望であることを示す試験結果が、オランダなどのグループによりLancet(2017; 390: 2655-2661)に発表された。
頸動脈圧受容器反射の活性化は血圧を下げ、治療抵抗性高血圧の治療に応用できる可能性がある。同グループは、治療抵抗性高血圧患者を対象に新しい血管内圧受容器増幅デバイス(MobiusHD、米・Vascular Dynamics社)を用いたオープンラベルの概念実証試験を欧州の6施設で実施した。
適格基準は、利尿薬を含む3剤以上の降圧薬を使用したにもかかわらず診察室での収縮期血圧(SBP)が160mmHg以上の成人患者。30例(平均年齢52歳、男女各15例)を登録し、MobiusHDを片側の内頸動脈内に留置した。主要評価項目は6カ月間の重篤有害事象の発現、副次評価項目は6カ月後の診察室血圧および24時間自由行動下血圧(ABP)の変化とした。
全例でデバイスの留置に成功した。使用していた降圧薬は平均4.4剤であった。
登録時の診察室血圧は平均184/109mmHgで、6カ月後には平均24/12mmHg〔SBP:P=0.0003、拡張期血圧(DBP):P=0.0001〕の有意な降圧効果が認められた。24時間ABPも、登録時の平均166/100 mmHgから6カ月後には平均21/12mmHg(SBP、DBPともP<0.0001)の有意な降圧を示した。6カ月間に4例で計5件の重篤有害事象(低血圧2件、高血圧悪化、間欠性跛行、創感染各1件)が発現した。
(編集部)