抗精神病薬の適応外使用が誤嚥性肺炎と関係
【海外短報】
2018年01月24日 06:00
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© Getty Images ※画像はイメージです
入院患者に対する抗精神病薬の適応外使用が誤嚥性肺炎の増加と関係することを示すデータが、米国のグループによりJ Am Geriatr Soc( 2017; 65: 2580-2586)に発表された。
病院では、せん妄の管理を主な目的に抗精神病薬の適応外使用が行われることが少なくない。抗精神病薬の使用は地域や介護施設における誤嚥性肺炎の発症と関係するが、入院患者ではこの関係は検討されていない。
同グループは、2007年1月~13年7月に単施設(大学病院)に入院した成人患者を対象に、抗精神病薬の適応外使用と誤嚥性肺炎との関係を検討した。他院への転院患者、48時間未満の短期入院患者、精神科入院患者は除外して診療録をレビュー、入院時にはなかった退院時の誤嚥性肺炎の診断コードを確認した。
解析対象は14万6,552例(年齢中央値56歳、男性39%)で、抗精神病薬は1万377例(7.1%)で使用されていた(非定型抗精神病薬80%、定型抗精神病薬35%、両薬併用15%)。557例(0.4%)が誤嚥性肺炎を発症し、発症率は抗精神病薬使用群が1.2%、非使用群が0.3%で、使用群の未補正および補正オッズ比はそれぞれ3.9(95%CI 3.2~4.8)、1.5(同1.2~1.9)といずれも有意に高かった。
傾向スコアマッチング解析とせん妄または認知症に限定した解析でも同様の結果が示された。
(編集部)
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