安定狭心症へのPCIで運動時間は改善せず
【海外短報】
2018年02月06日 14:25
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安定狭心症に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)に運動時間を増加させる効果は認められないと、英国のグループがLancet(2018; 391: 31-40)に発表した。
安定狭心症へのPCIは症状緩和を主な目的に行われているが、その有効性を示した二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験(RCT)のエビデンスはない。同グループは、70%以上の重度一枝狭窄を有する安定狭心症で虚血症状がある患者を対象に、PCIとプラセボ(シャム)手技の効果を比較する多施設二重盲検RCTを実施した。
230例を登録し、6週間の至適薬物療法を施行した。その後、心肺運動負荷試験、質問票による症状の評価、ドブタミン負荷心エコー検査を行い、PCI群に105例、プラセボ手技群に95例をランダムに割り付けた。6週間後にランダム化前と同様の評価を行った。主要評価項目は、運動時間の増加の群間差とした。
ランダム化された200例の割り付け時の平均狭窄率は84.4%、平均冠血流予備量比は0.69、平均瞬時血流予備量比は0.76だった。
解析の結果、6週間後の運動時間の増加に有意な群間差は認められなかった(PCI群-プラセボ手技群=16.6秒、P=0.200)。両群とも死亡例はなかった。重篤な有害事象として、PCIを要する圧ワイヤー関連合併症4件(全てプラセボ手技群)と、大量出血5件(PCI群2件、プラセボ手技群3件)が発生した。
(編集部)