【解説】日本は後進国、腹腔内温熱化学療法
福井大学病院がん診療推進センターセンター長・教授 片山寛次
2018年02月15日 09:45
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〔編集部から〕わが国では、悪性腫瘍に対する温熱療法(ハイパーサーミア)が40年以上行われており、腹腔内温熱化学療法(hyperthermic intraperitoneal chemotherapy;HIPEC)はその1つである。オランダ・Netherlands Cancer InstituteのWillemien J. van Driel氏らは、新規に診断された進行卵巣がんで術前補助化学療法を受けている患者を対象に、腫瘍減量術(cytoreductive surgery ;CRS)にシスプラチン併用によるHIPECを追加施行することで予後が改善されるかどうかを検証するオープンラベルの第Ⅲ相多施設ランダム化比較試験(RCT)を実施。その結果から、CRSにHIPECを追加することで、無再発生存期間および全生存期間が有意に延長したことなどをN Engl J Med (2018; 378: 230-240)で報告した(関連記事:「卵巣がんに対する術中腹腔内温熱化学療法」)。しかし、同試験には幾つかの問題点もあるという。福井大学病院がん診療推進センターセンター長・教授の片山寛次氏に解説してもらった。